14年12月定例会   討論 原稿

○議長(天野弘治) 1番、岡田耕一議員。

○1番(岡田耕一) 私は、議案第137号に賛成、議案第138号、第139号に反対、それから請願受理番号第6号、第7号に反対、請願受理番号第8号に賛成の立場から討論させていただきます。

 まず始めに、議案第137号財産の取得について、普通財産用地御船町地内について意見を述べつつ賛成の立場から討論いたします。

 先程も思政クラブ議員の方から討論がございましたが、本議案は土地開発公社が21世紀基金から資金を借用し、御船町地内で取得しておりました山林約4万8,000平方メートルを平方メートル単価1万1,498円、5億5,700万円余で買い戻すものであります。理事者からの説明では、公社が取得する際にも、今回も市として明確な行政目的はなく、将来において有効活用したいというものでありました。こうした土地開発公社が取得した用地が全国で問題になっております。

 昨日の中日新聞朝刊には、大垣市土地開発公社が取得して5年以上経た塩漬け地が取得時の価格で163億円分あると大々的に報道されておりました。10年以上かかえる塩漬け地も約13ヘクタール、簿価で約41億円あるということでした。本市では53億円ある21世紀基金のうち、52億6,600万円余を土地開発公社が借り受け、本議案であります御船町地内の山林ほか浄水町、大見町、白山町、広幡町、西広瀬町、篠原町に土地開発基金分もありますが、62ヘクタールを取得しております。財源から考えれば基本的には公社による用地取得も市による取得も同じであります。ですから、公社が取得した用地を早期に市が買い戻すことは当然のことと言えます。しかし、行政目的もなく用地を取得することは本来許されません。また、用地を取得した時期がバブル絶頂期でありました平成2年から3年にかけてということですので、平方メートル単価が当時1万1,498円でありましたが、今では下落していることが想定されます。

 これらのことから、私は公社が取得した用地を市が買い戻すことには納得できません。しかし、このまま放置していても何の解決にもなりません。ですから、こうしたむだな先行取得の一連の責任を明確にしていただくとともに、21世紀基金を使って取得した用地の早期処理、21世紀基金の廃止並びに隣接する猿投運動公園と市民利用が図れる一体整備を要望し、賛成討論といたします。

 引き続き、議案第138号及び第139号財産の取得について、豊田市美術館収蔵用美術品について、関連がございますので一括して反対の立場から討論させていただきます。

 本議案は、黒田辰秋作の「拭漆楢家具セット」を黒澤プロダクションから4,200万円で、岸田劉生作の「横臥裸婦」を画商から5,040万円で取得するものであります。今回も一言申し添えておきますが、私は豊田市美術館の作品収集コンセプトであります現代・近代の日本及び世界の作品収集については否定するものではありませんし、私自身も美術館で時には名作を鑑賞させていただいている者の1人でもあります。ただ、今回、上程されております黒田辰秋作「拭漆楢家具セット」は一式で4,200万円であり、岸田劉生作「横臥裸婦」は1点で5,040万円と非常に高価です。確かに教育社会委員会でご説明があったように、この「横臥裸婦」もバブル時には1億円から1億5,000万円もの値がついたと言われれば、いい買物をしたと評価できるかもしれませんが、今定例会では人事院勧告を受けた法の一部改正に伴う豊田市職員給与条例の一部を改正する条例も上程され、職員1人あたり平均年額16万3,000円の引き下げも審議されてきたところであります。

 また、新聞、ニュース等の報道では、日本経団連が来年の春闘に向け雇用や国際競争力を維持するにはベースアップは論外で、定期昇給の凍結、見直しもあり得ると賃下げの必要性にも言及しております。また、今日の朝刊には、冬のボーナス3.1パーセント減、過去最高という記事もありました。このように多くの市民も長引く不況の影響を受けております。こうして考えたとき、果たしてこれらの作品をこの時期に取得すべきかどうか考えてしまいます。

 昨年3月定例会での議案質疑では、「今、収集しているのは、私どもの世代だけではなく、次の世代にこれは受け継いでいくものと認識し、収集というものは規模の軽、重ではなく、我々はいつまでも努力を惜しんではならないという認識に立って取り組んでいる」と寺館長は答弁されると同時に、そのときの経済状況や財政状況といった外的な状況に合わせて規模が変わることもあるとも言われております。

 今回、美術館収蔵用美術品取得の議案として上程されておりますのはこの2件でありますが、取得価格が3,000万円未満の議案上程されていない作品も含めますと購入予定は全52点、税込みで総額約1億9,000万円と非常に大きなものになります。かつての10億円という基金があるころと比較したら少ないかもしれませんが、市民感覚からすれば決して少ない額ではありません。現在の豊田市を取り巻く環境は必ずしも順風ではなく、コスト削減が目的だとは言っておりませんが、市立幼稚園・保育園では、多様なニーズにこたえるためとして民間移管を進め、経費をできる限り少なくしようとする努力もしているところであります。

 豊田市美術館には美術館で確認しましたところ、議案案件である3,000万円以上の作品だけでも平成14年3月末現在で既に207点、3,000万円未満の作品も1,415点購入し、取得しております。現在の経済状況にかんがみて考えていただきたいと私はここで申し上げております。

 また、935点もの作品も寄贈され、所蔵作品だけ考えてももう既に非常にすばらしい美術館になっていると私は考えます。今後は作品収集より市民にとって身近な企画展実施や、親しみやすい美術館を目指すべきと考えます。

 私は、このような継続した作品取得については、一度再検討する時期に来ているのではないかと判断し、議案第138号及び第139号の美術品取得については合わせて反対させていただきます。

 次は、請願受理番号第6号医療・介護・福祉の充実とくらしを守る請願書に同意しない立場から討論させていただきます。

 私は、所属する環境福祉委員会付託分の請願については賛成いたしました。それは請願項目であります介護保険料の値上げをしないこと、特別養護老人ホームの入所待機者を解消するために施設整備を進めること、68歳からの老人医療費助成制度の存続等の要望には賛同できたからであります。しかしながら、国保の資格証明書の発行は行わず、加入者すべてに保険証を発行することや、国に対する意見書、要望書提出においては、外形標準課税の導入を行なわないことや、全国一律最低賃金制度の法制化、愛知県の最低賃金を大幅に引き上げること等については賛同できないものもあります。本議会で部分採択を可とするならば賛同できるところも多く、部分採択したいと思いますが、そうしたことができず、賛同できない項目もいくつかあるため本請願には賛成できません。

 最後に、請願受理番号第7号公立の幼稚園・保育園の民間移管の中止を求める請願書に対しましては不同意の立場で、請願受理番号第8号公立幼稚園・保育園の民間移管計画の見直しを求める請願書に対しましては同意する立場で、関連がございますので一括討論させていただきます。

 市立幼稚園・保育園の民間移管問題については、多くの保護者の皆さん、市民の皆さんも高い関心を寄せており、私も本定例会で取り上げさせていただきました。中止を求める請願では467名の、見直しを求める請願では何と6,048名の署名が提出されております。また、見直しを求める方々は、その後も署名活動を続けられ758名分の署名もこのように集められております。さらには12月10日には市長に対して5,563名の署名を添えて素案の見直しを求める申し入れがあったとも聞いております。12月17日には日経新聞夕刊に「保育園の民営化に不安」という記事が載っておりました。このように全国的にも不安視され、大阪府の大東市や高石市のように訴訟にまで発展している自治体もあるようです。

 しかし、私も、私立園のすばらしさ、特色ある教育を目指している姿勢も高く評価しておりますし、市立・私立の選択ができることはありがたく思っております。また、低年齢児保育のみ民間移管しましたみずほ保育園が親の声を受け止め問題点を解決しようとしていることは高く評価しております。

 ここでちょっとしたエピソードを紹介させていただきます。

 実は今定例会前に私のもとに複数の幼稚園関係者の皆さんが3,000名以上の署名とともに民間移管の中止を求める請願書を提出したいので紹介議員になってほしいと来られました。しかし、私は、本市における待機児童の解消や低年齢児保育、長時間保育のニーズにこたえるためには、市が市立として責任を持って運営できればベストだと思っていますが、コストの問題や職員を急激に増やすことは適切ではないという思いから、民間移管もやむを得ないと判断していると説明させていただきました。

 しかし、今回の市立保育園・幼稚園の民間移管計画については、みずほ保育園で全面移管がされておらず検証は不十分である。幼稚園については、全く移管されておらず検証評価ができない。また、保護者の皆さんの理解が得られない段階での拙速な民間移管の推進には疑問であると伝え、この計画については見直す必要があると説明させていただき、民間移管計画の見直しを求める請願書なら紹介議員になりますとお話させていただきました。

 きっと多くの幼稚園関係者の皆さんといろいろなお話をされたことと思います。数日後、私の趣旨にご理解いただき、公立幼稚園・保育園の民間移管計画の見直しを求める請願書として提出するということになりました。それから署名を取り直したのです。その間、約1週間、それでも6,048名の署名が集まったということを市民の代表である我々議員は考えなければならないのではないでしょうか。

 12月17日には社会福祉審議会、児童専門分科会を傍聴させていただき、市立幼稚園・保育園の民間移管計画について、各委員の真しな議論に耳を傾けました。事務局からは、市民からいただいた意見に対する回答として21区分155項目に分けられ説明がされておりました。これら一つ一つに丁寧に回答されており、私は社会部子ども課の真しな回答を大変評価しております。

 このQ&A資料についてはすぐに返却してしまいましたので現在私の手元にはありませんが、これらをぜひ早急に市民に対して公表していただきたいと思っております。そうすれば大部分の不安の声はなくなると思うのです。

 審議会、分科会の中では、委員の皆さんも中核市として直接対応できる保育園と違って特に幼稚園については、県との関係もあるということで大変心配されておりました。また、多くの市民の意見に対してどう対応されるのか、どう保護者の不安を解消されるのかという質問に対して事務局社会部からは「聞く耳を持って対応していきたい」と回答されておりました。ということは少なくとも何らかの見直し、変更すると考えていいのではないでしょうか。事実計画素案の中の移管法人の選定にあたっては、豊田市社会福祉審議会児童福祉専門分科会では、一定の選考基準を選定し、その基準に基づいて適切な民間法人を選定するという計画だったものを、幼稚園の保護者代表も参画する選考委員会を別に設置し、選考する方向としたい旨の発言もありました。また、民間移管と保育料等の保護者負担等についての記載も追加されそうです。

 それから、社会福祉審議会児童専門分科会の中で委員のもし仮に移管対象園に法人が手を挙げなかったら、また、手を挙げた法人が水準以下で移管できなかったら、このスケジュールはどうなるのかという質問に対して事務局からは、選考基準の水準を下げてまで移管はしないが、そういうことは想定しないということでありました。危機管理という言葉が定着して随分たちますが、こんなことでいいのでしょうか。民間移管は豊田市だけが進めるのではなく、全国でかつ急速に進んでまいります。受け皿となる法人が本当にしっかりとした対応ができるのでしょうか。本当に移管計画どおりに進めていくことが可能なのでしょうか。

 この審議会を傍聴されていたら、きっと多くの議員の皆さんもこの計画を見直そうと思ったかもしれません。決して民間移管をするなと言っているのではありません。いま一度立ち止まって冷静にじっくり計画を見直しましょうと言っているのです。

 そして、園選定スケジュール等についても、市民意見を踏まえながら再度検討し直す、市民と再度キャッチボールをするというのがパブリックコメント、鈴木市長の目指す市民とのパートナーシップではないでしょうか。

 さらには、子ども課に確認しましたところ、保育園については各地でも民間移管が積極的に進んでおりますが、把握する限りでは県内では幼稚園については民間移管を計画している自治体はないということでありました。

 以上の理由により私は市立幼稚園・保育園の民間移管については、積極的ではないものの、多様なニーズに対応するためには現状では仕方がないと判断し、請願受理番号第7号には反対させていただき、請願受理番号第8号に対しましては賛成させていただきます。

 議員の皆さん、後で傍聴席を見てください。通常、閉会日にはほとんど傍聴者はいませんが、本日は多くの保護者の方も傍聴に来られております。民間移管計画の見直しを求める親の会の皆さんが集められた請願署名6,048名と、その後集められた758名の署名を重く受け止めていただき、多くの皆さんの賛同を得て請願受理番号第8号公立幼稚園・保育園の民間移管計画の見直しを求める請願書が採択されることを期待し、すべての討論を終了します。ありがとうございました。


▼議会INDEX 
         ▼HOME