16年12月定例会   討論 議事録

私は、新政クラブを代表いたしまして今定例会に上程されておりますすべての議案に対しまして賛成する立場からいくつかの議案に意見を述べ討論させていただきます。
 まず始めに、議案第 126号豊田市公の施設に係る指定管理者の指定手続等に関する条例について討論いたします。
 昨年施行されました地方自治法の一部改正により、公の施設の管理運営について、従来の管理委託制度に変わって指定管理者制度が導入され、これまで直営か政令等で定める公共的団体に限定したものを株式会社など民間事業者にもできるようになりました。これは公務の外部委託化の究極的な道具であり、これを契機に直営又は公共的団体に管理委託している公の施設の全面的な見直しが始まります。これを否定的にとらえることもできますが、私は期待を込めつつも危ぐするところを述べてみたいと思います。
 まず1点は、公募についであります。
 豊田市ITS情報センターがそうであったように、指定管理者はここしかないと行政が思い込み、もしかしたらそこを上回る能力があるところが指定される可能性があったにもかかわらず、公募しないことがまた繰り返される可能性が否定できません。ぜひ多くの企業、団体にも機会を与えていただきたいと思います。
 2点目は、指定の期間であります。
 指定団体の施設運営への緊張感の問題から考えましても5年で区切りをつけたということは評価できますが、条例では、施設の性質又は設置目的等から、これによりがたい施設においては、この限りではないとしています。このあたりの明確化を今後望むものであります。
 3点目は、情報公開のことであります。
 指定管理者が管理する文書や本体経営状況の公開等は基本的には非公開となります。これについてはそれぞれの施設の契約の際に付記するか、指定管理者についても情報公開の努力規定を課す情報公開条例を改正する必要があると考えます。
 こうした点を指摘しつつ、今後の市の施設に係る指定管理者の指定に関しては、本来の趣旨に沿い、低コスト、高サービスの運営がされることを期待し、賛成討論といたします。
 次に、議案第 160号豊田市一般職の任期付職員の採用に関する条例についても意見を述べ、賛成討論いたします。
 この議案は、合併協議において専門的な知識・経験を有するすばらしい人材の採用を町村側からの強い要望があったために今回の上程となったと理解しています。合併する来年4月1日以降には専門的な知識・経験を有する人材の採用により、本市での都市内分権を積極的に進め、編入される町村から合併してよかったと思っていただける人材が採用されることを期待し、賛成討論といたします。
 次に、議案第 165号町村の編入に伴う豊田市国民健康保険条例及び豊田市国民健康保険税条例の適用の経過措置に関する条例について思いを述べ、賛成討論をさせていただきます。
 本議案は、国民健康保険税の賦課に関する経過措置として3年間の不均一課税を認めるものです。激変緩和と言いますが、同じ制度で同じサービスを受ける市民が3年間も今までどおりの税率で7地区ばらばらというのはいかがでしょうか。
 企画総務委員会の篠田委員の質疑の中で明らかになったように、今までは国からの普通調整交付金が本市との比較で最も多い自治体で1人あたり約1万 6,000円、平成15年度には6町村総額1億 4,000万円の交付があったそうです。だからこそ今までの税率が可能であったということです。合併後はその交付金も今までのようには交付されないようです。ということは3年間は現在の税率の高い地区の市民から入る国保税で税率の低い地区の市民の方々の国保税を負担するということになります。行政事務を考えましても相当な負担になることが想定されます。本来から言えば、こうした不均一を是正するのも一つの新しい市になる場合の責務だと思います。
 しかし、長きにわたり合併協議会で審議されてこられた事項として尊重し、賛成はさせていただきます。
 次に、議案第 256号豊田加茂広域市町村圏事務処理組合を組織する地方公共団体の数の減少、同組合の共同処理する事務の変更及び同組合規約の変更に関する協議についてと議案第 257号については、関連がございますので一括賛成討論させていただきます。
 本議案は、8市町村で組織されています一部事務組合を新豊田市と三好町の1市1町で組織することに変更する協議に関するものですが、今後の事務としましては、ふるさと市町村圏に関する事務、地方拠点都市地域の整備の事務、火葬場の設置管理、農業共済事業、不燃物処分場と砂川衛生プラントの設置管理に限られます。
 この組合に関します平成16年6月定例会での松井議員に対する答弁では、「事務の共同処理の必要性及び業務の委託も含め経費、効率性等検討を行い、これらを総合的に判断し、一部事務組合の継続が適当という結果に至りました」ということでした。
 また、平成16年9月定例会での太田之朗議員に対する答弁では、「今後、事務の共同処理による効率性に視点を置いて広域行政を進めていくべきと認識しております。ただし、委託方式の場合、委託する団体の当該事務について、管理執行権限を失うことになるなど事務の内容等については、一部事務組合方式の対応が適切な場合もあるので、今後、共同処理する事務の数や内容等を分析する中で処理の方法について検討していく必要があると思っております」と委託・受託の関係についてはあまり前向きでない答弁をしています。
 しかし、私は、事務事業の効率化を考えれば、委託・受託の関係の方が効率的だと思っております。ですから早急にその方向になることを期待し、討論とさせていただきます。
 続きまして、請願につきましては、我が新政クラブは各議員の政治理念を尊重する会派として別々の賛否を認めており、請願受理番号第3号、第4号は賛成者1名、請願受理番号第5号は賛成者2名であるため、私は個人の立場で請願受理番号第3号、第4号は不採択する立場から、請願受理番号第5号については採択すべきとの立場から討論します。
 まずは請願受理番号第3号医療・介護・福祉など社会保障の施策拡充についての請願書には、不採択とすべき立場から討論します。
 本請願は、多くの問題点を挙げ、それらの改善を求めるものであり、いくつかは共感できるものもあります。しかし、個別に見てまいりますと、要望しております介護保険に関する減免制度に関しては本市でも実施していますし、介護相談、認定も市が行っています。人材確保、質の向上の観点でのヘルパーやケアマネージャーの研修も市が随時実施しています。住宅改修費の独自の助成制度も実施していますし、増額についてはどのくらいを希望しているのかわかりません。とにかく上げてくださいというのはいかがかと思います。
 子育て支援の項目での就学前までの医療費無料制度の実施や、障害者施策についての乳幼児・児童のデイサービス、ショートステイなどは既に実施しているものも要望しています。
 このように本市で既に実施しているものも非常に多く要望しており、こうした請願には疑問を感じるところであります。
 国に対する意見書、要望書提出では、ある項目は国庫負担を増やすように主張し、ある項目は税源移譲で自主財源拡大を主張し、一貫性が感じられません。
 国民健康保険の負担引上げについては、私はこうした小手先だけの見直しではなく、勤務先によって保険が異なる現在の健康保険制度そのものの見直しが急務であり、そこから保険税、保険料と窓口負担の関係を考えるべきだと思っています。
 消費税の引上げ問題にも言及していますが、現在の国家財政が危機的な状況で次世代の負担のことを考えますと安易にこうしたことを主張していいのか疑問があります。
 確かに独立行政法人の問題や社会保険庁の不祥事、無駄と思える税金の執行など、歳出のスリム化を図ろうと努力する姿勢が感じられない国政を見ますと、本当に改革すべきものはまだまだ多いとは思いますが、だからといってこうした主張のすべてには賛同できません。
 以上のような理由により請願受理番号第3号には賛同できません。
 ただ、多くの問題意識を持っておられ、いい方向に進めていきたいという思いは理解できます。次回、請願を提出されるときは、豊田市での問題に限定していただき、事前にぜひ意見交換をさせていただけたらありがたいと思っております。一緒に取り組んでまいりたいと思っております。
 続きまして、請願受理番号第4号国の責任で30人以下学級の実現を求める意見書の採択を求める請願書にも不採択の立場から討論します。
 私も請願者が主張されますように少人数学級の効果は認める立場であり、本市でも財政的に可能であれば、小1、小2、中1と言わず、さらに段階的に少人数学級を進めていくべきだと思っております。また、本来であれば、財政的に可能な自治体が積極的に実施するだけではなく、国家として責任を持って教育立国を目指し進んで取り組むべきだとは思っています。
 しかし、先程請願第3号でも申し上げたとおり、現在の国家財政を見ますと、現状の40人学級からいきなり30人学級を目指すとは非現実的であり、財政問題を全く無視していると思えてなりません。教育に国家が責任を負うという考えには共感します。
 しかし、現実的には、本市のように学年別の、しかも人数には多少の幅を持たせた編成を認めるというなら賛成できますが、この請願受理番号第4号には軽々には賛同できません。
 最後に、請願受理番号第5号教育基本法の改定ではなく、その理念の実現を求める意見書の採択を求める請願書には、採択すべきとの立場から討論します。
 まず、教育基本法とは何でしょう。その名のとおり、国家が教育に対して基本的にどういうスタンスに立つべきかを定めた法律です。教育勅語を基本にした戦前教育への反省から、終戦後の1947年にできたもので、平和憲法の精神を色濃く受け継ぎ、戦争をしない平和の国家をつくるためには、教育はどうあるべきかをきちんと明文化した教育の憲法と言えるのではないでしょうか。
 しかし、この教育基本法の改正の動きは、教育が国家中心のものとなり、愛国心が強制される危険性をはらんでいます。中央教育審議会答申では、21世紀を切り開く心豊かでたくましい日本人の育成が盛り込まれ、郷土や国を愛する心や日本の伝統文化の尊重が教育理念として規定されています。
 現行の教育基本法が個人の尊厳を基盤としているのに対し、教育が国家中心のものへと変えられ、愛国心教育が強制されることが危ぐされます。教職員の思想・信条の自由、子どもたちの内心の自由が奪われてしまう可能性もあります。
 現にその流れとして、国旗及び国歌に関する法律に関して、政府は、法制化にあたり国旗の掲揚及び国歌の斉唱を義務づけることは考えていないと国会答弁しているにもかかわらず、東京都教育委員会は2004年3月30日、都立高校、ろう養護学校の教職員約 170名に対し、卒業式で君が代斉唱時に起立しなかったことを職務命令違反として戒告などの大量処分を強行しました。私は、こうした動きに大変な恐怖を感じております。愛国心教育がこうした強制につながり、思想的に統一された人格形成を強要されると思えてなりません。
 「白地に赤く、日の丸そめて、ああ美しい日本の旗は」、これは私の好きな歌の一つであります。日の丸を美しいと思う心や愛国心、郷土愛は強制して育てるものではないと思います。
 続きまして、もう1点危ぐするところを言います。
 教育行政や国家権力による教育内容への介入が行われる危険性です。中教審答申では、教育基本法第10条2項の教育行政による必要な諸条件の整備の中には教育内容等も含まれるとされております。教育行政による教育内容への介入を不当な支配として禁じた現行の教育基本法第10条が否定されることになります。こうした今までの教育基本法の理念を全く覆すおそれのある改正は、いつか来た道を想像させます。
 私は、請願者が主張されていますように、真の問題は、政府が今までこの理念の実現を追求せずに教育施策を行ってきたことであり、今後なすべきは教育基本法の改定ではなく、現行の教育基本法の理念の実現に努力すべきだと考え、本請願には賛成いたします。
 議員各位の賛同を得、請願第5号については採択されますことを祈念し、すべての討論を終わります。



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