平成18年12月定例会 討論 会議録


 私は、今12月定例会に上程されておりますすべての議案に対しまして、賛成する立場からいくつかの議案に対し意見を述べつつ討論させていただきます。また、請願につきましては、賛成、反対、それぞれの立場から討論させていただきます。

 まず、議案第143号豊田市副市長定数条例についてであります。
 本議案は、地方自治法の一部改正に伴う条例の制定でありますが、副市長の職務、定数につきましては、異論を挟む余地はございません。ただ、平成4年以降継続されてこられました今までの助役2人制のように国への助役派遣要請は地方分権の趣旨から時代にそぐわないものであると思っております。そして、2人必要なら1人は民間から登用すべきと思っています。今後、真の地方分権時代にふさわしい副市長制度を確立されることを期待します。

 次に、議案第160号豊田市体育施設条例の一部を改正する条例についてであります。
 本議案は、各地の屋内運動場の廃止や豊田市総合体育館及び西部体育館の使用料設定等を定める条例改正であります。私も市民待望の両体育館のオープンを心待ちにしている者の1人であります。ただ、総合体育館、西部体育館ともにトレーニングルーム使用料について一言申し上げます。
 トレーニングルーム使用料は、1回の料金設定とともに11回分ついた回数券の設定がございます。しかしながら、市民が健康増進のため毎日のようにトレーニングルームを使用する場合、回数券だけでは相当なご負担になります。そこで近隣の施設を見ますと、岡崎市体育館では1回200円、1か月2,040円、岡崎市総合体育館では1回310円、1か月3,060円、日進市スポーツセンターでは5回回数券2,000円、1か月4,000円、名古屋市の各トレーニング室は1回300円、1か月1,600円と、このように回数券だけではなく、回数券ほどの料金の月間通し券の設定がございます。また、今定例会におきまして、議案第147号で上程されております温浴施設じゅわじゅわの使用料でも区分によっては月間通し券の設定がございます。本市におきましても、市民の健康増進のためトレーニングルーム使用料の月間通し券の設定を期待するものであります。
 続きまして、議案第214号平成18年度豊田市一般会計補正予算について討論いたします。

 歳入では、1款市民税のうち法人市民税が自動車産業の好業績等によりまして124億円を超える増額の補正となり、他の自治体では財政破たんが叫ばれる昨今ではありますが、本当にありがたい状況であります。
 そして歳出では、合計130億円の基金積立てをするものとしております。その一つが土地開発基金積立金30億円、そして幹線道路建設基金積立金に50億円、そして今回新設される教育施設整備基金積立金に50億円があります。現在多くの自治体でも問題になっている、土地開発公社や市が普通財産として取得した土地の塩漬け問題がございます。本市では、現在150億円ある土地開発基金から土地開発公社に20億円の貸付をしております。この土地開発基金積立金30億円の増額により新たな塩漬け問題が起こらないよう申し添えておきます。
 また、基金は積み増せばいいというものではありません。使い惜しみすることなく適切な時期に有効に執行すべきであることもつけ加えておきます。

 続きまして、議案第232号広域連合の設置に関する協議についても一言述べさせていただきます。
 本議案は、愛知県後期高齢者医療広域連合の設置に関し、豊田市を除く県内62の市町村と後期高齢者医療制度に関する事務を協議するものであります。後期高齢者医療制度は、75歳以上の後期高齢者全員が加入する公的医療保険制度で2008年度から新たな独立型の健康保険としてスタートします。保険料は原則として加入者全員から徴収します。保険料徴収は市町村が行い、財政運営は市町村が加入する都道府県単位の広域連合が担当する仕組みです。財源は本人負担の保険料1割、国4、県1、市1の公費負担5割、74歳以下が加入する各健康保険からの支援金4割の比率で負担します。保険料は県の広域連合で決定しますが、厚生労働省の試算では、2008年の制度発足時には月額6,200円程度になる見通しと言われております。そして、環境福祉委員会でも確認されましたが、2年ごとに保険料が改定されると言われました。決して保険料が下がることはないでしょう。
 私見を申し上げれば、国民は等しく医療を受ける権利があるならば、負担についても同様に考えるべきだと思っています。現在の健康保険制度の構造的問題を抜本的に解決し、将来にわたる安定的な医療保険制度の運営を確保するためには、本市職員が加入しているあまりに優遇されている九市健康保険組合や政府管掌健康保険、そして重税感がある国民健康保険等に分かれている現在の健康保険組合制度から都道府県単位の保険者の再編等に終わることなく、国の責任においてすべての医療保険制度を全国レベルで一元化を目指すべきであり、それに向けた具体的な道筋を早急に明らかにすべきと思っております。
 そうした思いから本議案にも反対したいところでありますが、しかし、反対し現実的に本市が愛知県後期高齢者医療広域連合に加入しない場合には設置許可をしないということで、他の62市町村に対して多大な迷惑をかけると言います。そして、75歳以上の後期高齢者は保険から脱退することになるので国民健康保険になるとともに、75歳以上の方から保険料の1割を負担していただいたとしても国県補助がないため市は180億円程度の負担をしなければならないといいます。そうすれば他の行政運営にも支障を来します。これらを考慮しますと、75歳以上の皆さまには多大なご負担をかけますが、愛知県後期高齢者医療広域連合の設置に関する協議には心情的には反対したいものの、それは現段階では非現実的でありますのでやむを得ず賛成いたします。

 請願受理番号第2号子どもと親が安心できる少人数学級の実現を求める請願書に対しましては、賛成の立場から討論いたします。
 本請願は、請願趣旨にありますように、本市の小学校1年生の32人学級、小学校2年生と中学校1年生の35人学級の教育的な効果を高く評価しつつ、さらに他の学年まで少人数学級の実施を求めるものであります。
 教育効果につきましては、平成18年3月定例会における吉田教育長が次のような答弁をしております。「少人数学級につきましては、今年度、小学校2年生と中学校1年生にも拡大して大きな成果を上げていることが調査結果からも明らかになっています。さらなる効果を期待して、学校からは非常勤講師だけではなく、子どもと長時間かかわることのできる担任の配置を求める声が上がっています。しかし、現段階では、法律上常勤の教員の加配はできないので非常勤講師を含めた教員全体の指導力向上を図る支援をしていきたいと考えています」というものでありました。
 しかし、ここで問題にされました法律上常勤の教員の加配はできないということに関しましては、平成18年6月定例会におきまして神崎専門監が、「平成18年4月1日より市町村立学校職員給与負担法の一部が改正されたことによりまして市町村が給与を負担して独自に教職員を採用することが可能になったと認識しております」と答弁され、法的な問題はクリアされたと認識しています。
 では、本市において財政負担はどうかと考える必要があります。そこで教育委員会に平成19年度に小学校3年生から6年生、そして中学校2年生、中学校3年生も35人学級を実施するとした場合の人件費はどうなるか試算をしてもらいました。必要な講師数は小学校1年生の32人学級で11人、その他の学年35人学級で74人、中学校3学年の35人学級で25人が必要で、その人件費は約5億2,000万円ということでした。現在、小学校1年生の32人学級と小学校2年生と中学校1年生の35人学級でも1億5,000万円執行しておりますので、あと3億7,000万円の人件費負担で可能ということになります。
 では、校舎はどうでしょうか。少人数学級を拡大し、小学校3年生から小学校6年生、中学校2年生、中学校3年生を35人学級にしても、特別教室を普通教室に転用すれば普通教室は足りるそうであります。その特別教室から普通教室への転用必要数は6校で11教室、特別教室から普通教室への改造費は1教室あたり約500万円かかり5,500万円、特別教室を仮設校舎として設置するリース料は設置料を含み5年以上お借りした場合は1教室あたり約1,500万円かかり、11教室分で1億6,500万円、合計2億2,000万円が必要ということになります。
 人件費、校舎整備費を含め5億9,000万円あれば残りすべての学年で35人学級が実現できるのです。この費用は一時的で毎年の負担は基本的に人件費だけであります。簡単に決められる額ではございませんが、本市におきましては実現不可能な額では決してありません。
 また、現職の愛知県知事、神田真秋氏は、この2月の愛知県知事選挙の公約で、小学校2年生、中学校1年生の35人学級までは明言しております。また、有力候補である石田芳弘氏もマニフェストに全学年の30人学級の実施を明言しております。
 本市におきましても可能な限り県を補完し、次代を担う子どもたちの教育のため、すべての学年での少人数学級が実現できますよう、どうか全議員の賛同をいただき、本請願が採択されますことを期待し、賛成討論といたします。

 次に、請願第3号妊婦検診費用と児童の医療費に補助を求める請願書に不同意の立場から討論いたします。
 妊婦検診にかかる費用は医療機関によって異なりますが、1回4,000円から7,000円の範囲が多く、平成17年度の対象者で考えますと、すこやか親子手帳の交付件数が4,235件でしたので1,694万円から2,964万円の範囲になります。本市が無料検診を1回増やした場合、最高でも3,000万円ほどの負担であります。本市にとっては十分検討可能な範囲だと思われます。ぜひ子育て支援の一環として総合的に判断し、妊産婦検診の無料回数の増加の検討をすべきと思います。
 しかし、子どもの医療費無料制度の対象年齢を小学校卒業まで拡充することに対しましては反対であります。
 私自身かつて小学校就学前までの無料化を進めるべきだと主張してきた者の1人でもありますし、現在1歳半の子どもを育てる親としては、子どもの医療費の無料期間が長ければありがたいという思いもあります。そして、県内でもいくつかの自治体が医療費の無料化を拡充しております。しかし、子どもの医療費の無料期間が長ければ長いほど本当のいいのでしょうか。以前医療関係者からお話を伺ったことがありますが、無料期間が延びてから患者さんが急増したと言うのです。これは今まで病気でもお金がかかるからと我慢させてきた子をちょっとのことでも診てもらおうという心理が働いたのではないかということでした。私は医療の専門家ではありませんので簡単には結論づけられませんが、あまりに安易に医療機関にかかることは決して患者さんの側にとってもいいことではないという見方もあるそうです。それは無料化したことにより、医療機関にかかる子どもが増え、特に小児科で急増し、それに伴い小児科医の忙しさが増してしまい、医師の小児科離れ、特に勤務医の小児科離れの一因になっていると聞きます。
 確かに小さな子どもは病気になりやすいので医療費の負担は大変です。だからといって小学校6年生まで無料化すべきだとは私は思いません。例えばでありますが、通院に関しては小学校3年生までは患者の1割負担、6年生までは2割負担、また入院に関しては1割負担、それ以外を市が負担するような助成制度なら、子育て支援の一環としてぜひ早期に実施すべきだと思っております。
 ただ、請願者と事前に十分な話し合いができず、あくまでも小学校卒業までの無料化ということでしたので、残念でありますが本請願には賛成しかねます。

 次に、請願第4号介護・福祉・医療など社会保障の施策拡充についての請願書に賛同しない立場から討論いたします。
 本請願は、介護、高齢者医療、子育て支援、障害者施策の充実等多くの施策について、本市の施策の拡充と、国、県に対して意見書、要望書の提出を求めているものであります。
 私は、この中の各項目について、賛同できるものとできないものがそれぞれありますので主な項目を挙げ討論いたします。
 賛成項目としては、介護保険料の低所得者に対する保険料の減免制度の拡充については、現状をよく把握し、その方向を目指すべきと認識しています。高齢者医療の充実について、2008年4月からの70歳以上の高齢者の医療負担の1割負担から2割負担への引き上げ分の助成については、ぜひ実現していただきたいと考えます。
 子育て支援の関係では、先ほど申し上げたとおり、本市が無料検診を1回増やした場合、最高でも3,000万円程度の負担であります。本市については十分対応可能な範囲だと思われます。ぜひ子育て支援の一環として総合的に判断し、妊産婦検診の無料回数を増加していただきたいと思っております。
 就学援助制度の拡充については、本市では申請者の迅速な手続ができるという判断から学校での申請のみとしておりますが、申請者は経済的にお困りの家庭であるため、プライバシーにも考慮し、申請者の選択の幅を持たせる意味で市の窓口でも申請できるようにすべきと考えます。
 このように賛同できるものもありますが、次のような賛同できない項目もございます。子育て支援の関係の小学校卒業までの医療費無料制度の実施については、先ほど述べたとおりでありますし、妊産婦医療費無料制度の新設は、他の健保組合の負担や高齢者医療とのバランスを考慮すべきと思っております。
 国保税の改善については、後ほど述べますが、全面的な賛成はできません。国への意見書の項目の全額国庫負担による最低保障年金制度の創設については、年金改定をもとに戻し、と言っております。私は全額国庫負担による最低年金保障制度の創設については同感でありますが、その財源としては、消費税を含めた総合的な判断が必要であると考えております。また、最低保障年金の額の議論がされる場合には、目的税化した消費税アップもやむを得ないと思っております。ですからもとに戻すとこうした議論ができなくなると考えております。
 以上のような理由により、請願受理番号第4号には賛成できません。
 ただ、多くの問題意識を持っておられ、いい方向に進めていきたいという請願者の思いは理解できます。また、毎年、毎年内容を精査され請願されてこられたことには誠意を感じております。今後は、共通理解を深めるため、事前に意見交換をし、多くの問題については賛成できますので、どうか請願項目を絞るか、分けていただければ請願に対し賛同できるものと思っております。請願者にはご一考いただけたらなと思っております。
 最後に、請願第5号高すぎる国保税の引き下げを求める請願書に賛同しない立場から討論いたします。
 請願者が指摘している現状は全くそのとおりであり、私も請願趣旨に関しまして思いは同じであります。本市におきましても、国保税の滞納者も増加し、決してこのまま放置していい問題ではありません。そして、払いたくても払えない現実があることも承知しております。国民健康保険税を払える額に引き下げるという方向は理解できます。しかし、現実にどのレベルなら支払えるのか、どの層に焦点をあてればいいのでしょうか。そして、国保会計全体を見たときに、現在滞納されている方も含め国保税の税額を引き下げた場合、どこで税収をカバーするのか、一般会計からの繰入金がどのレベルなら市民理解が得られるのか等々議論が必要だと認識しています。
 私自身は弱者が最も多く加入されている国民健康保険にはもっと一般会計からの繰入金を多くすべきだと思っていますが、市民理解を進める上でもう少し時間が必要だと認識し、本請願には現段階では賛同できません。
 以上ですべての討論といたします。