平成19年6月定例会 討論
私は、今定例会で上程されました全議案に賛成するとともに、承認第3号から第17号のすべてを認定いたします。

 今回は、承認第3号平成18年度豊田市一般会計決算について討論させていただきます。
 まず、一般会計歳入のうち、歳入総額の64.3パーセントを占める市税については、15.2パーセント増加し1,159億9,426万円の決算額となりました。このうち法人分が89億2,433万円と29.8パーセントの大幅な伸びがございました。この税収の増というのは、自動車関連産業等の好調な業績が影響したもので、本市としまして税収増がこうした理由によるものであることを、今後の財政運営上念頭に置く必要があると思います。
 豊田市決算等審査意見書にありますように、今後、地方間の財政力格差是正の観点から、税の偏在性の縮小を目指す動きが現実のものとなれば、法人市民税を基幹財源の一つとする本市の財政に、大きな影響を及ぼすことは言うまでもありません。法人市民税が市町村行政に果たしてきた役割をあらゆる機会をとらえ、国等に対し粘り強く訴えていくということだけではなく、しっかり行政評価をし、徹底的にむだを排除し、さらなる足腰の強い行政体をつくり上げていかなければなりません。そして、不要不急な事業の精査と市民満足度の高い事業をいかに効率的に行うかが問われてまいります。また、一般会計の歳出については、前年度に対しまして9.5パーセント増加しまして過去最高の
 1,726億5,024万円となっております。各種事業では、少子高齢化に備える取組を始め医療体制の整備、地域活動の支援など評価できるものが多くございます。

 そこで、今後、歳出について見直しを期待する点についていくつか意見を述べてまいります。
 まず、2款1項1目の一般管理費のうち車両管理費でございます。
 本市では、救急車、消防自動車等の特殊車両を除いた一般車両が447台あると伺いました。そのうち庶務課が管理し貸し出す車両が約50台、その他は各課が管理しているということでございました。しかしながら、南庁舎6階から立体駐車場の公用車を時々眺めますと、本当に多くの車両が動かず駐車されたままという状況を目の当たりにしております。現在でも稼働率の低い車両は庶務課に管理を移管していると言いますし、事実平成17年度は6台、平成18年度は4台移管されたということですが、まだまだ稼働率の低い車両はあると思われます。今後もしっかり管理していただき、稼働率の低い車両は各課から庶務課に引き揚げることはもちろん、庶務課管理車両でも稼働率の低いものは売却するなど台数を減らす努力を期待するものであります。

 次に、2款3項3目のうち納期前納付報奨金についてでございます。

 この制度は、税収の早期確保や納税者の納税意欲の高揚を図る目的として制度がございますが、この制度の適用を受けることができるのは1年分の税を同時に納付できる人に限られるため、不公平を生じているという議論があり、多くの自治体で廃止がされております。そして、一宮市では、平成17年12月定例会でこの制度を平成18年度より20年度にかけて段階的に廃止されることが決定されました。名古屋市でも平成17年度から既に廃止されており、豊橋市でも平成19年度から廃止されております。
 特別委員会全体会議での議案質疑に対する答弁で、制度見直しについては、本市では議論するまでは行っていないが、ワーキンググループで調査しているということでありました。今後、本格的に議論されることを期待しております。

 次に、2款4項1目住民基本台帳費であります。
 平成18年度は延べ2万3,181名分の個人情報が業者に流出し、354万円を手数料収入として本市が得ていましたが、何人でも閲覧を請求できるという閲覧制度の廃止を含む住民基本台帳法の一部を改正する法律が、平成18年11月1日に施行されたことにより、それ以降は皆無となりました。しかし、法律改正後も国または地方公共団体による法令の定める事務を遂行するための閲覧や、統計調査、世論調査、学術研究、その他の調査のうち公益性が高いと認められる活動のための閲覧はできることになっています。今後は、営利目的の閲覧を隠した偽り、その他不正の手段による閲覧をしっかり防ぐ努力を期待しております。

 次は、4款2項2目のうちPCB処理推進費についてであります。
 日本環境安全事業株式会社JESCO豊田事業所施設で、平成19年1月14日に冷却水3トンが施設内に漏れる事故がありました。2月発行の事業団だより34号にも若干の記載があり、不具合が発生したため設備をすべて停止したとありました。しかし、この事故は、平成19年1月14日に発生したにもかかわらず、執行部からの情報提供が2か月後の3月14日、しかもポスト配布の情報提供だけでした。なぜこれだけの期間報告していただけなかったのか非常に残念であります。しかしながら、全体会での議案質疑に対する答弁で、「今後はこうしたことが起これば事故として厳格に取り扱う。今後できる限り速やかに公表する」旨の答弁をいただきました。今後は、国とともにJESCOに対し常に適切な対応、指導をしていただくことを期待しております。

 次に、5款1項1目市民山の家費1億5,700万円余についても指摘しておきます。
 平成18年度の市民山の家の利用者1人あたりの市の持ち出し額は約9,300円ということでした。9,300円もあれば1泊2食つきでもそれなりの宿泊ができます。こうした施設を市が抱える時代は過去のものになりつつあるのではないでしょうか。指定管理者制度のもとで、経費の削減と有効利用されたことは一定の評価をいたします。しかし、今後、施設の更新等検討する際には、市による大規模修繕より民間にできることは民間にという精神で、施設を売却することも視野に入れた検討を期待します。

 次は、10款6項1目学校教育総務費のうち学校教職員厚生補助金520万円についてであります。
 この助成は、厚生会の事業として本当に必要かどうか見極める必要がありました。平成16年度まで1人あたり5,000円の補助金でしたが、平成17年度、18年度は半減し、平成19年度からの廃止を決定されました。その点高く評価しております。教職員の皆さんの福利厚生は県に任せ、市としては、今後、資質向上につながる事業の展開を期待します。

 次に、10款8項6目社会体育費のうち豊田スタジアムを生かしたまちづくり推進費負担金500万円についても触れておきます。
 豊田スタジアムを活かしたまちづくりの会に例年同様、平成18年度も500万円支出いたしております。総事業費560万円のうち500万円の補助金であります。市負担金以外の収入はわずか寄附金の60万円であります。自主財源が11パーセントという豊田スタジアムを活かしたまちづくりの会は、存在意義、あるいは負担金のあり方等根本的に考え直す時期に来ていると思います。今後もう少し使途を検討していただくとともに、まちづくりの会への市の関与についても考慮すべき時期に来ていると思います。

 次に、同じく社会体育費のうち児童生徒スポーツ観戦費として豊田スタジアムでのJリーグ公式観戦費についても一言述べさせていただきます。
 平成18年度も小学校4、6年生と、中学校2年生を対象に親子観戦事業として実施されました。これには1,191万円余りを支出いたしております。参加者は平成16年度と17年度を比較しますと、合併して対象児童生徒が大幅に増加しているにもかかわらず7,620名から6,965名と8.6パーセント減少いたしました。そして18年度は6,584名とさらに5.5パーセント減少しております。そして平均参加率を具体的に見ますと、小学校4年生で23.3パーセント、6年生で23.7パーセント、中学校2年生は17.3パーセントという状況です。たったこれだけでございます。本当に教育の一環として位置づけるのであれば、コンサートや能の鑑賞のように全員参加にすべきですし、親子のふれあいを言うのであれば、社会部に所管がえすべきではないでしょうか。ご一考いただくことを強く期待します。

 最後に、10款8項8目体育施設費、施設管理費のうち株式会社豊田スタジアムへの指定管理委託費5億8,900万円余について述べさせていただきます。
 平成17年度の4億3,100万円から大幅に増額されましたが、その理由としては、光熱水費と稲武地区での芝生の管理費も含まれるということでした。そして使用料収入、広告収入等から差し引いた市の実質持ち出し額は約4億2,500万円ということでした。平成17年度と比較しますと1,700万円増加しております。これは本市の財政規模から言っても決して少ない金額ではありません。
 横浜市は日産自動車と横浜国際総合競技場をネーミングライツパートナーとして5年契約を結び、日産スタジアムと名称変更し、年間4億7,000万円、総額23億5,000万円の収入を得ております。名古屋市でも総合体育館が、日本ガイシスポーツプラザ、レインボーホールが日本ガイシホールとネーミングライツされました。2007年4月から5年間で収入は年額1億2,000万円ということであります。全国各地でもフルキャストスタジアム宮城、味の素スタジアム等々多くございます。そしてトヨタ自動車がネーミングライツをしている施設としましては、トヨタセンターがございます。これはアメリカテキサス州ヒューストンにある競技場でございまして、トヨタ自動車のアメリカ法人が命名権を取得し、トヨタセンターと名付けております。トヨタセンターは、三つのスポーツチームの本拠地となっております。またヨーロッパでは、チェコのプラハにあるレトナスタジアムも命名権を取得し、トヨタアレーナとしております。
 本市も公募した名称を大事にする気持ちはわかりますが、億単位の収益を上げられる可能性があるのなら、ぜひネーミングライツ導入を検討し、これに伴う市から株式会社豊田スタジアムへの指定管理委託費も見直すべきであろうと思います。
 以上、いくつか意見を述べてまいりましたが、全体としては非常に高い評価をしており、以上で平成18年度豊田市一般会計決算について認定する立場での討論とさせていただきます。


 続きまして、請願1号「消えた年金」問題の早急な解決と最低保障年金制度の実現を求める請願書に対し、不採択とする立場で討論いたします。
 私は、請願者が求める2点の請願事項については、全面的に賛同するものであります。特に1点目は、平成18年11月16日に理事評議会合同会議で決定された全国市長会、平成19年度国の施策及び予算に関する要望の中の国民年金に関する要望の第4項目めとして、平成18年11月21日に全国会議員、11月29日に関係省庁等に提出されたものであります。私もこの全国市長会の国民年金に関する要望6項目に賛同しており、特に第4項目の将来に向けて持続可能な年金制度とするため、そのあり方について最低保障年金制度を含め国民的な議論を行い、適切な見直しを行うことについては、2階建ての部分である厚生年金、共済年金や企業年金等の3階建て部分も含め、国民年金制度の一元化をも視野に入れた議論をすべきであると要望していると理解しております。大いに国民的な議論を期待している者の1人でございます。
 2点目についても、消えた年金を政府の責任で早急に解決することはもちろん、すべての人に年金記録を送ることはコスト面さえクリアできれば全く問題ないと思います。しかし、請願趣旨の中で、社会保険庁は民営化ではなく、全体の奉仕者として専門性と公共性を身につけた公務員による公的な機関として存続すべきという主張には必ずしも賛成できません。
 私は、政府が進めようとする社会保険庁を廃止し、厚生労働大臣が厚生年金にかかる財政責任、管理運営責任を担う新たな非公務員型の年金公法人を設置し、厚生労働大臣の直接な監督のもとで一連の運営管理業務を行う、日本年金機構にも賛成できませんが、社会保険庁を現在のまま公的な機関として存続すべきとも思いません。
 民主党が主張するような社会保険庁を解体して国税庁に統合し、年金保険料をより厳格に管理するなどの議論もすべきと思っております。老後に安心して生活できる国民のよりどころとなる国民年金の事務をどこの機関が担うのか、どのような立場の者が行うのか、まだまだ国民的な議論が必要だと思っております。
 よって、請願事項には賛同できるものの、請願趣旨の部分で大きな考えの違いがあり、残念でありますが、賛同できません。
 以上で請願第1号に対する討論とさせていただきます。


 最後に、請願第2号「六ヶ所再処理工場の本格稼働に反対し、その中止を求める意見書」の決議を求める請願書には、採択すべきとの立場から討論させていただきます。

 私たちが現在生活する上で電気、電力が欠かすことができないエネルギーであることはだれもが認めることだと思います。また、使用済み核燃料再処理の前提となる原子力発電においても、原子力発電の即時停止ということも現実的には無理かもしれません。地球温暖化が叫ばれる現在、原発が危険だからと言って火力発電をという主張もできません。エネルギー資源が乏しい我が国で使用済み核燃料を再処理し、活用できるのであれば、それは夢のような話かもしれません。しかし、本当に安全性、コスト面を考えたときに、原子力発電及び使用済み核燃料再処理が有効な手段と言えるのでしょうか。いくら国による厳しい管理がされると言っても人間は失敗をする動物です。完全なことはありません。
 六ヶ所再処理工場には、約1万器もの主要な機器があり、その配管の長さは約1,300キロメートルにも及びます。そして平成13年の春より通水作動試験、平成14年秋から化学試験を行っております。そして平成16年12月からはウランを使用したウラン試験を開始し、ウラン試験の次に使用済み燃料を用いた総合試験であるアクティブ試験を重ね、再処理工場の本格稼働を目指しています。しかし、この間、この再処理工場では多くの事故を起こしております。近年では、2006年2月17日19時36分ごろ、低レベル濃縮廃液の漏えいが発生しております。また2006年5月17日19時ごろ、精製建屋内における試薬の漏えいが発生しております。さらには2007年1月21日22時25分ごろにも、低レベル廃棄物処理建屋における洗浄水の漏えいが発生、そして2007年3月11日11時13分には、ウラン・プルトニウム混合脱硝建屋における脱硝皿への溶液の誤供給が発生しております。近年だけでもこれだけの事故があるのです。
 議員各位もハインリッヒの法則をご存じだと思います。ハインリッヒの法則は労働災害における経験則の一つで、一つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常、いわゆるヒヤリハットが存在するというものです。これらは同一の事故ではありませんが、このように事故が続出するということは、いずれ取り返しのつかない大事故につながらないとも限りません。
 そんな折、平成19年4月18日には、再処理工場における第1チャンネルボックス切断装置及び燃料取扱装置に関する耐震計算の誤入力について、という日本原燃からのプレス発表がありました。株式会社日立製作所から、平成5年に作成した第1チャンネルボックス切断装置及び燃料取扱装置の耐震計算において、入力データとして固有振動数を入力すべきところ、逆数の固有周期を誤って入力したとの報告があり、正しい入力データに基づいた再計算を行い、再評価した結果、設計用限界地震動に対し、許容応力を満足しないおそれがあることを確認したと報告されております。
 2007年4月19日の東奥日報の報道によりますと、耐震計算は1993年の設計時に日立製作所の子会社、日立エンジニアリング&サービス、旧の日立エンジニアリングでございますが、が行い、同社の担当者は、1996年には誤りに気づいていたが、原燃などに報告していなかった。担当者はミスに気づいていて再計算しようとしたが、業務多忙のためそのまま放置してしまったと話していると言います。このように、もしかしたら再処理工場には公表されていない設計ミス、トラブルがまだまだある可能性も否定できません。
 繰り返しになりますが、いくら地球温暖化のため有効と言っても、エネルギー資源が乏しい我が国には最善と言っても、いくら国による厳しい管理があると言っても人間は必ず失敗をする動物です。完全なことはありません。エネルギー政策を考えるなら、さらに自然エネルギーの可能性を追求するとともに、できる限りむだな電力は消費しないという努力も必要ではないでしょうか。
 また、企業が使えば使うほど電気料金が割安になるような制度も根本的に考え直す必要があるのではないでしょうか。
 そして、現実的に再処理工場の稼働により周辺地域の汚染のみならず、青森県海岸から関東地方に至る広い海域での汚染の可能性が危ぐされ、青森県産、三陸産の海産物に安全性の危険が心配されるので購入を控えたい、という動きもあるということも否定できません。
 私は、請願にありますように、多くの危険性をはらむ日本原燃株式会社六ヶ所再処理工場の本格稼働に反対し、中止を求める意見書を提出することを全会一致で採択されることを期待し、請願に対する賛成討論といたします。