平成19年12月定例会 討論
私は、今12月定例会に上程されております議案のうち、議案171号 豊田市障害の表記方法の特例を定める条例 及び222号 豊田市職員給与条例の一部を改正する条例については意見を述べつつ賛成する立場から、議案178号 豊田市医療費助成条例の一部を改正する条例については反対の立場から討論させていただきます。
また、請願につきましては、請願6号 介護・福祉・医療など社会保障の施策拡充についての請願書には反対の立場から討論させていただきます。

まず、議案171号 豊田市障害の表記方法の特例を定める条例についてであります。

 本議案は、市民の障がい者に対する関心及び理解を進め、障がい者の福祉の増進に寄与するため、法令中における障がい者の状態を表す障害の用語を引用する場合の表記方法の特例を定めるものであります。
私も平成16年9月定例会の一般質問にて、「障がいを持っておられる方にとってウ冠の「害」の字の使用は嫌われる傾向にある。本来、障がい者の害の字は石偏の「碍」の字であり、ウ冠の障害の字の使用は、戦後の国語改革の中で漢字の字数制限、いわゆる当用漢字の選定、字体の簡略化による表記変更である。今後の市役所内の所管名称、表記も含めウ冠の「害」の字をひらがなにすること、できれば石偏の「碍」の字を使用すべき」と発言しました。当時の福祉保健部長も「障害のウ冠の「害」の字の所管名称、表記変更について、まさに私も同感の思いでございまして、私ども行政を含め障害者団体等関係者の方たちの自らが考えるきっかけになることを期待します」との答弁もございました。
また、豊田市保健福祉審議会障害者専門分科会でも、新ライフサポートプランの策定協議の中で「障がい」のがいの字を変更することが議論され、19年度からは、障害福祉課の名称も害の字がひらがな表記になっております。
さらには平成18 年12 月22 日(火)開催の平成18 年度第3 回豊田市保健福祉審議会障害者専門分科会議事録を見ますと、意図的か、どうかは分かりませんが、「障碍福祉課長」の記載が、一部、石偏の「碍」の字を使用されていました。
そうした流れの中、今回、「障がい」のがいの字を特例でひらがな表記する条例改正であります。関係者にとっては評価していることと思います。
今後、さらに踏み込み、いっそのこと、本来の日本語である石偏の「がい」の字を使った「障碍」とし、市民理解が深まることを期待し、賛成討論といたします。


次に178号 豊田市医療費助成条例の一部を改正する条例については反対の討論をいたします。
 私は、一般質問でも取り上げさせていただき、重複もいたしますが、特に子どもの医療費助成について述べさせていただきます。
私は現在の3割負担は、患者負担が重く、負担軽減は必要だと思っています。しかし、本条例案にあります、20年度より実施予定の中学校卒業までの通院・入院を含む医療費無料化に対して必ずしもいいことばかりではないと多くの点から危惧しております。
県内では、一色町の都築町長がこの12月定例会で、方針変更の表明はされましたが、県の方針である中学校卒業までの入院無料化に追随しないとしていました。理由として「1、医療給付費が増加する 2、国からの普通調整交付金が減額になる 3、高所得者にも対象とするのは福祉の趣旨に反する 4、県が手をひいたときに単独でやっていけるのか」などでした。
また、お隣の三好町では3名の議員が「未就学児から中学生まで一気に引き上げるのは行き過ぎ」として、「中学生までの入院費と小学3年生までの入通院費」に狭める条例修正案を提出し、否決はされましたが、しっかり問題提起をされています。結局、4名で構成される会派のうち2名と清風クラブ議員2名の4名の議員が豊田市と同様の条例案を反対しております。
確かに現在の3割負担は、負担が重いと感じますし、難病で通院を余儀なくされているご家庭については考慮する必要はあると思います。また、入院は患者側が希望するものでもありませんし、費用負担が重くなりますので入院費無料は大いに賛成です。
私自身も3歳に満たない子どもを持つ親として現在、医療費助成の恩恵を受けています。しかし、健康な方でも多額の保険料を納めなければならない健康保険制度全体を考えたとき、果たして本当に無料でいいのか、疑問を感じています。
そんな私も、現行制度となる前に「乳幼児医療費無料化の年齢を就学前までに拡大すること」を主張してきましたし、平成14年10月からの制度改正には賛成しました。保護者が金銭的な負担を考え、今まで通院できなかった子どもたちが気軽に受診でき、その結果、早期発見早期治療につながり、子どもの健康とともに医療費を抑制できる可能性もあると考えたからです。
しかし、その後、小児医療関係者から次のような話を伺いました。「無料期間が延びてから患者さんが急増した。今まで、お金がかかるからと我慢させてきた子をちょっとのことでも診てもらおうという心理が働いたのではないか」とのことでした。
私は医療の専門家ではありませんので簡単には結論づけられませんが、気軽に医療機関にかかることは決して患者側にもいいことではないという見方もあるそうです。それは無料化により、医療機関にかかる子どもが増え、特に小児科で急増し、軽い症状の受診者が増え、本当に診療が必要な患者が後回しになる。また、小児科医の忙しさが増してしまい、医師の小児科離れ、特に勤務医の小児科離れの一因になっているとも聞きます。

そこで、私が特に危惧する点、疑問に思う点を申し上げますと次の通りとなります。
財政的な観点から
@県財政が悪化し、助成制度の廃止や助成金額が減額された場合、制度の存続が可能か。
A豊田市の歳入上、大きな割合を占めている法人市民税が一部でも国税化された場合、財源捻出が非常に厳しくなる。また、一度定めた制度を後退、または廃止するのは非常に困難である。
B高所得のご家庭まで助成する必要があるのかどうか。
また、患者側への影響として
Cかつての高齢者医療費無料制度と同様に受診者数、医療費の増加が予測され、医療機関にかからない方にも健康保険料の値上げにつながる可能性がある。
D軽い症状の受診者増加により、本来、受診すべき患者が後回しになる可能性もある。
さらには医師の負担増の観点から
E受診者数の増大により、医師、特に勤務医への負担増大・過重労働となる恐れもある。
F負担増大・過重労働により勤務医が退職し、病院での診療科廃止につながる可能性もある。
そこで、ただ反対するだけなのかと言われないように、私が考えた子ども医療費助成制度の私案についても述べさせていただきます。

1、中学校卒業まで一律無料とせず、小学校就学前までは現行の通り、無料とする。
2、入院は、18歳(高校卒業年次)まで無料とする。
3、小学生、中学生の通院は原則1割負担とし、月に5回目の診療からは無料とする。
4、小学生の薬剤費は無料とするが、中学生の薬剤費は原則1割負担とする。
5、小学校就学前までの時間外診療は無料。
6、小学生、中学生の時間外診療は原則2割負担とする。
 
このように実施しても県助成の対象となっていない部分であり、補助額に影響はないはずです。そして、これでも現行制度より、相当な負担軽減となりますし、負担の重い、入院費については高校卒業年次まで無料化することにより、本当に困っている方を救うことができます。この入院費助成は一色町が20年度から実施しようとしています。
小・中学生に通院費の負担をお願いすることは健康保険会計を考えるうえで、必要だと思います。しかし、負担が重くなる恐れもありますので、浜松市のように月に5回目の診療からは無料とし、負担軽減を図るべきだと思います。
薬剤費については、「中学生の場合は、薬の用量が大人と同じくらいになり、親と同じ症状の場合、親のために受診する可能性もある」という内科医のご指摘もありました。そうしたことを極力排除するため、一定額の負担を考えるべきと思います。
時間外診療についても「中学生は忙しいからと時間外に安易に受診すると考えられる」という看護師からのご意見や「時間内に受診せずに時間外に受診する人が増えるのではないか。時間外、休日等は一部負担金があってもいいのでは」という小児科医のご意見もありました。私も中学校卒業までの通院費無料により、時間外の診療も増えると思っています。特に救急医療との混在により医師の更なる負担増も予測されますので、できる限り、時間内に受診していていただくために、時間外診療だけでも一部患者負担はすべきと考えます。

そして、最後に子ども医療費だけを優遇する必要があるのか、他に実施すべき施策はないのか、の観点から申し上げます。

受診されない方々へも目を向けるべきと考えます。
今回の支援策は、病気になった方には大変ありがたいものです。ただ、軽い症状で様子を見る方々や、日頃、健康管理をして受診しない方々は、市財政、健保財政へ貢献しているにもかかわらず、恩恵はありません。市としても、子育て世代に限らず、こうした努力をされている方々にも目を向ける必要があると思います。

そして、学校給食費の無料化も検討すべきと考えます。
今回の子ども医療費助成制度の拡大の根拠として市は子ども条例、第3条2項の「市は、保護者が子育てについての第一義的責任を遂行するために必要な支援をしなければなりません」をあげています。それなら学校教育のなかの給食費についても同様に無料化を考えるべきだと思います。こちらは無料化に伴う他への影響はないはずですし、しっかり支払っている保護者とそうでない方、18年度の未納額は約260万円でしたが、平等に支援できることになります。現在小学生は1食220円、中学生は250円で1年間の予算を見ますと小学生分は約11億2900万円、中学生分は約6億600万円となっています。
文部科学省も小中学校で実施されている給食をめぐり、主要目的を従来の「栄養改善」から食の大切さや文化、栄養のバランスなどを学ぶ「食育」に転換する方針を固め、目的の転換やこれに沿った栄養教員の役割などを盛り込んだ学校給食法の改正案を、早ければ来年の通常国会に提出するとしています。
食物アレルギーを有する児童生徒への対応はするとの報告がすでにありましたが、給食費の負担のあり方についても教育の一環として検討すべきと思います。

そして最後に、他の世代の医療費負担の軽減策も検討すべきと考えます。
豊田市全体の医療費助成を考えますと子どもに厚く、その他の世代に対しては配慮が足りないように感じます。20年度からは75歳以上の後期高齢者医療制度が開始されます。一定期間の減免制度はあるものの、現在の扶養家族からは切り離され、愛知県では保険料が月額1人平均7,767円と多額になります。そして、1回受診すれば1割負担です。現役並みの所得のある方は3割負担です。また、70歳から74歳の方は20年度は1割負担ですが、21年度からは2割負担となります。このように高齢者にはとても厳しい医療制度となります。ある一部の負担軽減だけ考えるのではなく、市民全体を考え、特に高齢者の負担軽減を考える必要もあると思います。こちらについても無料にすべきとは思いませんが、診療費の負担軽減や保険料の減免等、支援策を検討すべきと思います。

以上、申し上げましたとおり、総合的に判断し、中学校卒業までの医療費無料化を含む本条例改正は、必ずしもいいことばかりではないと危惧すると同時に子ども医療費の無料化拡大は優先施策ではないと判断し、本議案に反対いたします。

次に、222号 豊田市職員給与条例の一部を改正する条例ついては意見を述べつつ賛成する立場から討論させていただきます。
今回の改正は人事院勧告にともなうものであります。しかし、それだけでなく、職員給与は一人一人の頑張りに対して適切に処遇するものだと思います。それと同時に納税者から見て理解できないもの、納得できない手当等は改善しなければならないと思います。
私は、平成18年3月定例会の代表質問において、職員手当の見直しについて伺いました。持ち家の方でも一律5,600円支給されている住居手当や一部の特殊勤務手当は、納税者としては納得できないものがあると指摘したところ、「平成18年4月から家畜の飼育管理業務手当、3歳児未満の保育業務手当、水道検針業務手当、5時間を超えない変則勤務手当を廃止する。住宅手当も、改正案を組合に提示して改正に向けて交渉を進める」と答弁されました。
しかし、この住宅手当も18年度、19年度となっても、いまだ改善されておらず、今後、1000円の削減案で協議する方向と伺います。
我々、議員も市職員も市民のために働く公僕です。給与、手当てを含めた処遇について理解を得られなければなりません。
今回の改正により、より一層市民に愛される職員として活躍いただくことを期待し、賛成討論といたします。

請願6 介護・福祉・医療など社会保障の施策拡充についての請願書について不採択とする立場から討論いたします。

まず、請願趣旨ですが、格差の拡大や医療費等の負担増大という現状については、私も同様に認識しております。そして、医療や福祉の切捨てをしないで欲しいという思いについても共感するものであります。
 ただ、民間委託など自治体リストラをすすめないで欲しいということについては、賛同できません。民間委託については、コスト削減効果だけを考えた安易な委託は論外だと思いますが、民間の顧客第一主義によるサービス向上、無駄の排除による経費削減等、公共では、なかなか実現できなかったことを民間が行うことによって、いい成果が現れているものも多いと思われます。
「リストラ」とは、「リストラクチャリング」であり、本来の意味は、「首切り」や「合理化」ということでなく、再構築です。問題なく適切に出来るものを民間に任せ、行政をスリム化していくことは問題ないと思っています。
福祉や教育、環境分野など、より多くの人材を配置すべき部署、増員すべき部署はまだまだあるでしょう。先行きが不透明な今こそ、こうした再構築は必要なのではないでしょうか。

それでは、請願事項についていくつか申し上げます。
〔3〕市の福祉施策の充実、
1(1)介護保険についての
A介護保険料についてのア、の「低所得者に対する保険料の減免制度の拡充」についてはそのとおりだと思います。
しかし、イ、の「減免に際して預貯金や不動産の所有を理由に対象者をせばめないで下さい」については、介護保険制度の継続性を考慮すれば保険料を払える方に適正額をお支払いいただく必要もあり、預貯金や不動産の所有を理由に減免対象者から外すということは理にかなっていると思います。ただ、その預貯金額、不動産の中身によっては、減免対象とすべきだと思います。

(2)高齢者福祉施策の充実についての
A独居、高齢者世帯のごみ出しの援助などの生活支援についてですが、こうした支援は必要だと思います。しかし、なんでもかんでも公費を使った行政主体で実施すべきとは思いません、自らができなければ、隣近所や自治区単位での互助の精神でこうした施策ができれば理想的だと思っています。

5 国保の改善については、Aア「減免制度を拡充し、払える保険税にしてください」やDの手当新設についてなど賛成できる部分もあります。
しかし、Aイ、ウについては、具体的な数値が入っていますので、この数値が適切かどうか、しっかりした検証が必要だと思っています。

〔4〕国・県等への意見書・要望書の提出について
1、@の全額国庫負担による最低保障年金制度の創設については、賛同するものであります。しかし、その財源として私は、消費税を含めた総合的な判断が必要であると考えており、最低保障年金の額の議論がされる場合には、目的税化した消費税アップもやむを得ないと思っております。
そうした理由もありDの「消費税引き上げは行わないでください」には賛成できません。

 最後に総合的な見地から述べさせていただきます。
仮に本請願の請願事項の全てを実施しようとしたときには、相当な税源確保が必要となると思われます。それをどうするのか。これら市、県、国を問わず、税源およびその額についての検討が必要と思われます。それもないまま、我々議員が、軽々に採択することはできないと思えます。

ただ、本請願は、多くの課題について真剣に考えられ、それを改善したいという強い思いは伝わってきます。また、請願項目の個々については、賛同できるものも多くございます。今後、テーマを絞っていただき、個別に請願を提出していただくことを期待し、本請願に対する反対の討論といたします。