平成20年6月定例会 討論 案

 私は今6月定例会に上程されております議案、すべてに賛成致します。そのうち、通告に従い、議案第96号、特定事業契約の締結について、(仮称)豊田市交通安全教育施設整備・運営事業 に対しまして、賛成の立場から討論致します。

 本議案は、効果的かつ体系的な交通安全教育を実施するため、交通安全教育施設の拠点整備をする、特別目的会社である豊田交通教育(株)とPFI事業者としての特定事業契約を締結するものであります。

 私は本議案の賛否にあたり、大きく2点について述べさせていただきます。1つは、事業内容、そして、もう1つは運営主体についてであります。

 本施設は、交通事故0をめざし、昭和45年12月に開園した交通公園を移転新設するもので、交通公園は事故の第一当事者・被害者になりやすい幼児・小学生を対象に、学校教育の一環として計画的に指導が行われております。そして、今回新たに整備する交通安全教育施設は、子どもたちはもちろん、最近、急増していると言われる高齢者も対象とした施設で、体験学習を通して、子どもたちがルール、マナーを習得するとともに、高齢者の加齢による能力や環境変化への対応を認識する機会も提供する施設であります。

 ただ、これまでに相当な紆余曲折があったと認識しております。それは、市が(財)豊田都市交通研究所に作成委託し、策定された(仮)交通安全教育施設 整備構想 策定調査報告書の内容が、平成13年9月19日、全議員に対して報告されたのが転機であったと記憶しております。
 整備構想では、幼児から高齢者までの体験型の交通安全教育施設として位置付けられ、規模は5〜10ha、整備費は約50〜100億円、公設第3セクター運営を想定しており、私を含め6名の議員から懸念を含めた質問がありました。また、その後の12月定例会においても2名の議員から一般質問のテーマとして取り上げられ、この整備構想 策定調査報告書の内容には、相当数の議員が、違和感を抱いておりました。

 私自身は、本市がクルマの街の責任において交通事故を撲滅したい、減少させたい、そのために交通安全教育施設を本市に建設したいという気持ちは十分理解できました。しかし、政令指定市も含め、全国どこを見ても市レベルで独自に高度な体験型施設を整備しているところは全くなく、あるのは国や県、自動車メーカーの社会的責任のもとに建設されたものばかりでした。現にホンダは、車を生産し、販売をする企業の社会的責任と位置付け、安全運転の普及活動として全国に8カ所の交通安全教育施設を建設・運営されております。
 また、近隣では享成自動車学校が運営されるキョウセイ交通大学が岡崎市にあり、私はここを含め、3カ所の現地調査もさせていただきました。

 そして、私はこの間、次の趣旨の主張を繰り返して参りました。
1、交通公園は、老朽化し、手狭になり現況に沿っていない部分もあるので、幼児、小学生向けの交通安全教育施設としての再整備は市が責任を持ち、公設公営で運営すべき。
2、本市としては、免許証の更新時や企業内教育の一環として、強制的に体験型教育を受講させることはできないため、ドライバー向けの施設整備は、行うべきではなく、民間に整備段階からお願いすべき。
3、施設全体の用地確保については全面的に市がかかわり、市民合意を得て市が取得すべき。 という主張です。

 そして、多くの議員からの指摘、提言や効果検証結果に基づき、15年度には市長並びに関係各位の大英断により、ドライバー教育施設は当面整備を行わないとの報告があり、その後、効果検証結果等を検討し、本市初のPFI事業として、計画が進められました。最終的には全体敷地面積、約50,000u、そのうち施設整備対象面積は、約25,000uで整備することになりました。

 以上のように、市として丁寧に調査し、効果検証するとともに、結果として、私たちが主張してきた多くの意見を汲んでいただくことになり、大変評価しております。

 ただ、気がかりなことが2点ございます。その1つが、登記の問題であります。本事業の方式であるBTO方式では、施設整備・完成後に施設の所有権を市に移転しますが、登記は行わず、契約書に基づき、目的物引渡書にて所有権を明確にするということです。法的には有効であると、うかがいましたが、今後、何らかのトラブルに発展しないことを念じております。

 そして、もう1つがドライバー教育のための体験型施設整備構想が時機をうかがい、再提案されるのではないかということであります。本施設は全体敷地面積、約50,000uのうち施設整備対象面積が、約25,000uで、同等の面積が使用されずにあることになります。その多くが法面であることも承知しておりますが、当初の構想のように、事故防止の観点からドライバーに対する体験型教育の必要性を訴え、市長の想いに反し、施設整備をすべきという意見が、一定期間経過後、また、提案されることを危惧しております。

 しかしながら、現計画であるPFI事業としての交通安全教育施設整備・運営事業については、交通安全意識の向上、事故防止の観点から大いに期待しております。よって、本事業に賛成することを表明し、賛成討論と致します。