平成20年12月定例会 討論

私は通告に従い、今12月定例会に上程されております、すべての議案のうち、167号を除くすべての議案に賛成致します。
そこで、議案146号、199号につきましては賛成の立場で、167号につきましては、反対の立場で討論致します。

まず、議案146号:豊田市職員の勤務時間、休日及び休暇に関する条例の一部を改正する条例についてです。
本議案は平成20年度人事院勧告に従い、職員の勤務時間を改訂するもので、人事院勧告では、平成21年4月1日から職員の勤務時間を1日7時間45分、1週38時間45分に改定するとしていますが、本市では1月1日からの施行としています。
そこで、私は、人事院勧告にもない、この3カ月先行して実施することの妥当性について検討しました。職員1人あたり15分の短縮は全職員(3,242名)1カ月あたりの総労働時間として16,210時間の短縮となります。そして、全職員の短縮時間を時間換算単価(1人平均:2199円)で計算しますと3カ月間で総額1億693万円になります。
そこで、本会議や委員会にて「時間短縮することで、どのくらいの時間外勤務が生じるか」確認しましたところ、「時間短縮が、そのまま残業に結びつくものではない。事務効率を高め、時間外勤務はほとんど増えることはない」とのことでした。
職員の労働時間、労働力は市民にとっても資産ですが、15分削減することにより、市民サービスが低下することはない、時間外勤務が増え、その結果、時間外勤務手当が、増えることはないという執行部の答弁を信じ、それなら市民にとっても不利益とならないと判断し、大変悩みましたが、賛成することに致しました。
しかしながら、15分の勤務時間短縮は時間換算給としては72円の増額となり、それに伴う時間外勤務手当は同じ残業時間であっても年間3,000万円程度は増額となると言います。こうした事実も踏まえ、サービス残業は論外ですが、今回の改正により、事務効率をさらに高め、ムダを排除し、より一層市民に愛される職員として活躍いただくことを期待し、賛成討論といたします。


次に議案167号:財産の取得(豊田市美術館収蔵用美術品)についてです。

本議案は速水御舟作の「鶏」を5,700万円で取得するもので、市美術館ではすでに速水御舟の作品は4点所蔵し、本作品が5点目になります。
本作品は、様々な画廊からオファーがあったものの1つで、そのなかから収集に欠かせない重要な作品と認識し、取得を決めたと伺います。また、今後の速水御舟の作品収集の考え方については、昭和期の貴重な作品が出てくれば財政状況等を踏まえ、これからも取得を検討するという答弁でした。
そこで、20年度予算、2億円のなかから本議案を考えたいと思います。今年度は、予算2億円のうち約1億円分を執行し、このほかに竹内浩一作「漂(ただよい)」650万円など、計20作品を取得する予定と伺います。5,700万円という「鶏」の価格の妥当性については、正直に言って素人の私には全く分かりません。しかし、2度と取得する機会が訪れないであろう本作品に対する高い評価や私が常々主張してきたように予算を使い切らない事については評価しております。
ただ、今年度から直面している法人市民税の急激な落ち込みを考えますと高額美術品の取得には慎重にならざるを得ません。先ほど申し上げましたとおり、市美術館では貴重な作品があれば、まだまだ取得したいとも言います。市民にこうした作品に触れて頂く機会は私も否定しませんが、どうしても速水御舟の作品に触れて頂きたいと思うのなら、国内外で最も優れた御舟コレクションと評価の高い山種美術館などから借用し、企画展を実施することで十分であると考えます。本会議での答弁もございましたが、財政状況等を踏まえるというのなら、今は、作品を取得するタイミングではないと考え、今回は、反対致します。

最後に議案199号:指定管理者の指定(豊田市民山の家)についてです。
本議案は、豊田市民山の家「リゾート安曇野」を管理運営する団体として、引き続き、東レエンタープライズを指定管理者として5年間の期限で指定するものです。
私は、本議案の是非を考えるうえで、そもそも豊田市として、多額の税金を使ってまで保養施設を所有することの必要性について検討しました。
19年度決算でもそうでしたし、21年度以降の5年間も民間企業に指定管理料として約1億6,000万円を支払うことになります。これは、過去の実績から推定すれば、宿泊者1人あたり約1万円も税金で補助することになります。19年度の「リゾート安曇野」宿泊者は約1万7000人でしたが、例えば、同じ予算を使うのなら、私は「リゾート安曇野」を廃止または、民間移管したうえで、全国各地のホテルに豊田市民に対する優遇条件を提示してもらい、入札にて全国で数カ所の市指定ホテルを決定する。さらに市として年間利用者5万人程度まで3,000円ほどのクーポン券を抽選で配布すれば、同じ予算でより多くの市民に安価で様々な地方の旅を楽しんで頂けると思います。このような考えから、私は「リゾート安曇野」は指定管理者制度ではなく、廃止もしくは民営化すべきと主張いたします。
しかしながら、産業建設委員会の質疑において「5年間は指定管理者制度で行いたいが、将来的には、民営化や処分の検討もする」という執行部の答弁もありましたので、私はこの5年の間にこうした検討をされることを期待し、今回は賛成することにしました。

続きまして、請願4件につきましては、7号に賛成、8号、9号、10号に反対致します。
そのうち、9号、10号につきまして、反対の立場から討論致します。

まず、請願 9号 安心して子どもを産み育てられるよう保育の公的責任の堅持と保育施設の拡充を求める請願書についてです。

私は請願項目の1つめ、および4つめに対し、必ずしも賛成できません。以下、順次、意見を申し上げます。
「市立こども園の民営化・統廃合の中止をしてください」についてですが、本市では平成15年から20年までの間に10園の民間移管がされました。私もこの間、様々な検証と問題提起をおこない、その結果、計画にはあったものの当時の野見幼稚園は民間移管することなく、現在、市立こども園として存続しています。
私は、現在でも民間移管推進論者ではありませんし、現状設置している市立こども園についてはできる限り、市が責任を持って運営すべきとは思っています。
ただ、請願者が求めます、就労条件なしでの3歳児保育の実施につきましては、民間移管を推進したことにより、受入枠の拡大が進んだことも事実です。また、延長保育、病後児保育等の多様な保育需要に柔軟に対応できていることも事実です。さらには、市が主張します民間移管により生じた財源を新たな児童福祉・幼児教育施策に振り向けることができるということも理解できます。
統廃合につきましても統廃合ありきではなく、地元、保護者と慎重に協議をすすめ、本当に理解が得られるのなら、子どもたちを第一に考え、結論を出すべきと考えます。集団生活を考えますと、必ずしも統廃合はいけないとも思えません。

「給食を自園調理に切り替えてください」につきましては、旧保育園だけに限らず、旧幼稚園、学校に至るまで、財政的に可能であるなら、私も自園方式がベストだとは思っています。しかし、特区認定により旧保育園につきましても外部搬入が認められ、現実的にすべてのこども園で給食センターからの外部搬入が実施されている現状を考慮しますと、今から、旧幼稚園にも調理室を設け、また、すべてのこども園で調理員をおいて、自園調理に切り替えることは現実的ではなく、そうした財源、人材があるのなら新たな児童福祉・幼児教育施策に振り向けた方が賢明だと思います。

ただ、請願趣旨にあります特区の条件としてアレルギー対応等を満たしていないという事につきましては、特区における容認事業についての留意事項にはその具体的な明記はないものの、アレルギー対応されることが決まっています新東部給食センターはじめ、その他の給食センターにおきましてもアレルギー対応されることは期待しております。

以上、申し述べてきたとおり、理解できる部分はありますが、すべての事項には賛同できず、よって、不採択とする討論と致します。


最後に請願 10号 介護・福祉・医療など社会保障の施策拡充についての請願書について不採択とする立場から討論いたします。


まず、請願趣旨ですが、格差・貧困の拡大や医療・介護の負担増という現状については、私も同様に認識しております。そして、医療や福祉の切捨てをしないで欲しいという思いについても共感するものであります。
ただ、民間委託など自治体リストラをすすめないで欲しいということについては、賛同できません。民間委託については、コスト削減効果だけを考えた安易な委託は論外だと思います。しかし、民間の顧客第一主義によるサービス向上、無駄の排除による経費削減等、民間だからこそ、いい成果が現れているものも多いと思われます。本市でももっとムダの排除はできると思っています。
「リストラ」とは、「リストラクチャリング」であり、本来の意味は、「首切り」や「合理化」ということでなく、再構築です。私は民間に任せるべきものは民間に任せ、行政をスリム化することは本来あるべき姿だと思っています。
また、それと同時に、市として福祉や教育、環境分野など、より多くの人材を配置すべき部署、増員すべき部署はまだまだあるのではないでしょうか。景気後退が叫ばれる今こそ、こうした再構築は必要だと考えます。

それでは、請願事項についていくつか申し上げます。
〔2〕市の福祉施策の充実の
1(2)高齢者福祉施策の充実についての
@「高齢者が地域でいきいきと生活するために、敬老パスなどの外出支援策をすすめてください」についてですが、
本市では、足腰の衰え等により、歩行に不安がある65歳以上の高齢者に、歩行の補助として使うシルバーカーの購入費用の一部を助成したり、既存の公共交通機関の利用が困難な高齢者のために、自動車学校のスクールバスを利用した外出支援サービスを実施しています。市のこうした努力は私も認めます。ただ、請願者も触れています敬老パスは導入していません。私は、まずは、おいでんバスや各地域バスなど、市が運行費用を負担しているバス路線に対して、敬老パスを発行し、金銭的な負担を考えずに外出する機会を増やすためにも敬老パスの導入は賛成であります。
しかし、
3B「65歳から74歳の国保税の年金天引きをやめてください」や6@「地方税の年金天引きを行わないでください」について私は、年金から天引きで国保税や市民税を徴収する特別徴収を全面否定する立場にはありません。国保税については、口座振替を優先していますので、そちらを選択することは可能です。また、特別徴収には窓口まで出向かずに済んだり、自治体の徴収事務の効率化といったメリットがあります。こうしたメリットも十分認識する必要はあると思います。ただ、天引きされることによる様々な苦痛も理解はできます。天引きを全面否定するのではなく、現在も実施されていますが、普通徴収、特別徴収が選択できるような仕組みは重要と考えます。

次に〔3〕国および愛知県・広域連合への意見書・要望書の提出についてですが、
1、Cの「今までの医療費抑制策で崩壊寸前の医療現場を救うために国の責任で医師・看護師不足を解消してください」という部分や
2Bや3@の「後期高齢者医療制度へ愛知県の一般財源を繰り入れて、保険料を引き下げてください」などについては、賛同するものであります。しかし、その財源として私は、消費税を含めた総合的な判断が必要であると考えており、これらの議論がされる場合には、目的税化した消費税アップもやむを得ないと思っております。そうした理由もありEの「消費税引き上げは行わないでください」には賛成できません。
また、2C「子どもの医療費助成制度の対象を通院についても中学校卒業まで拡大してください」については、私の12月定例会の一般質問に対する答弁で明らかになったように、
「本市の4つの基幹病院の、4月〜8月の5か月間の外来患者数や時間外患者数を、一昨年の同時期と比較しますと、全体で減少しており、年齢別に見ますと、未就学児は、全体の状況と同じく、減少していますが、新たに助成制度の対象となりました小学生・中学生の年代では、患者数が増加しており、他の年代とは違った傾向を示している」状況です。
市長も広報とよた10月1日号掲載の市長がつづるひまわり歳時記で心配されるように、無料化による弊害も多くの場面で指摘されています。私は、こうした事実のある通院に対する無料化拡大には反対であります。

そして、最後に総合的な見地から述べさせていただきます。
仮に本請願の請願事項の全てを実施しようとしたときには、相当な財源確保が必要となると思われます。それをどうするのか。
財源としては、いわゆる埋蔵金と言われる財政投融資特別会計の積立金等を取り崩す方法もありますが、これら市、県、国を問わず、財源およびその額についての検討が必要と思われます。それもないまま、我々議員が、軽々に採択することはできないと思っています。
ただ、本請願は、多くの課題について真剣に考えられ、それを改善したいという強い思いは伝わってきます。また、請願項目の個々については、賛同できるものも多くございます。今後、テーマを絞っていただき、個別に請願を提出していただくことを期待し、本請願に対する反対の討論といたします。