平成22年12月定例会 討論

 私は今12月定例会に上程されているすべての議案に賛成、そして、すべての請願に反対いたします。
 そこで、通告に従い、議案第132号、145号、164号については、賛成の立場から、請願受理番号第2号、3号については、不同意の立場から討論いたします。

 まずは、議案第132号、豊田市古瀬間聖苑条例の一部を改正する条例についてです。
 本議案は、受益と負担の公平を確保するため、火葬施設の圏域外利用にかかる使用料の改定及び式場の利用にかかる単位及び使用料の改定を行うものです。
 具体的には、特に火葬施設の圏域外利用者には、58,000円かかるという経費負担相当額を使用料として、10歳以上の故人では5万円に設定するもので、これにより圏域外利用が抑制され、市民サービスが向上するものと思われます。
 ただ、現在の古瀬間聖苑の施設は、火葬炉としては、1日平均9.4件の対応をされており、能力としては、20件以上対応できると言いますので、心配はありませんが、現在でも告別室、収骨室の利用については不満の声が聞こえてきます。
 今後は、多目的トイレの整備や告別室、収骨室等の拡充を進め、利用者が安心して故人を見送ることができる施設となることを期待し、賛成討論といたします。


 次は議案第145号、豊田市商業振興条例の一部を改正する条例についてです。
 本議案は、市、地域経済団体、商店街、商業者及び大型商店事業者が互いに連携して商業活動を振興するため、理念規定、責務規定の整備その他所要の改正を行うものです。
 具体的に申し上げれば、大型店、チェーン店は、商店街加入率が35%と少ないことや商店街が弱体化し、現条例が制定された平成17年以降に5つの商店街が解散しているという現状があり、組織の強化が課題であるとの認識から現在の条例改正が急務と判断されたと理解します。
 ただ、条例第5,6,7,8条の各責務規定には罰則がない努力規定であり、不安もありますが、他市の事例からも大型店、チェーン店などの商店街加入や地域貢献促進の後押しになることを見込んでいるとのことです。
 そして、今後は、改正条例施行後、来年1月から地域経済団体等とともに、条例を根拠に強力に周知、理解活動を進め、特に大型店、チェーン店への加入促進を図っていく予定と伺います。
 ぜひ、積極的な働きかけをしていただき、商店街への加入率向上はもちろん、商業のさらなる活性化が図られることを大いに期待し、賛成の討論といたします


 最後に議案第164号、工事請負契約の締結(西広瀬工業団地拡張事業造成工事)についてです。
本議案は、造成面積11ha、平成25年1月までの工期の西広瀬工業団地拡張事業造成工事を太啓・テクナス建設共同企業体と契約金額8億1,900万円で工事請負契約の締結をするものです。
 現在は、本市に限らず、日本全国、未だにリーマンショック以降の経済不況を引きずったままで、こうした積極的な攻めの姿勢に一抹の不安がよぎります。ただ、本市が昨年度に実施しました企業進出意向調査において、24社50haの進出希望を確認しており、分譲の見込みも十分あると考えていると伺います。
 また、企業立地後の雇用を含めた経済波及効果については、市としては調査はしていないものの、500名程度の雇用と、固定資産税、都市計画税、事業所税、法人市民税、個人市民税等の各種税収が確保できるとの見込みで、飲食店の利用増加による地域活性化などの効果も期待されています。
 これらが、捕らぬ狸の皮算用とならないよう、来年度に実施を予定している企業進出意向調査の結果を活用し、積極的な誘致活動に取り組み、早期の完売を期待しております。


 続きまして、請願受理番号第2号、介護・福祉・医療など社会保障の施策拡充についての請願書について不同意の立場から討論いたします。

本請願は医療、福祉、介護、年金など社会保障全般に対して改善を求めているもので、請願事項の【1】自治体の基本的なあり方についてや、各請願事項については、共感し、賛同できるものもあり、請願者の切実な思い、真剣な取組みに対して、敬意を感じております。
 しかし、請願【2】1.(2)Aア、「多様な生活支援の施策を所得制限や介護度による制限を設けることなく、充実してください」については、私は限りある財源を考えれば、一定の所得制限をかける必要はあると思っています。
また、【2】2.@「後期高齢者医療対象者の医療費負担を無料にしてください」については、所得等に応じたある一定の方への無料に近い減免は必要と感じますが、無制限の完全無料化は、最終的には、財源問題と医師への加重負担による医療崩壊にもつながると危惧するものです。
 そして、【2】4.@「国民健康保険制度の広域化に反対してください」につきましても賛同できません。私は、年金制度とともに医療保険制度は、そもそも全国一律、一元化すべきと思っています。現在のように自治体単位や職域単位の医療保険制度では、弱者が国民健康保険や後期高齢者医療保険に集中し、その結果、制度疲労をきたしていると思っています。紹介議員が不安視されているように広域化されることによる、自治体からの一般会計からの繰り入れについては、私も同様に考えますが、それは、財源としての問題であり、広域化が問題ではないと考えます。
 それから、【3】1,国に対する意見書・要望書提出のC「18歳年度までの医療費無料制度を創設してください」や
2,愛知県に対する意見書・要望書のC「子どもの医療費助成制度の対象を18歳年度まで拡大してください」については、無料化をすることによって、すべてが安易な受診とは言いませんが、受診率が増加しているというデータもでています。不適切な受診によって、医師への負担増大、健康保険組合への財政負担の増大等の弊害も指摘されています。また、私自身、複数の医療関係者からも直接、そのような声も聞いています。
 確かに現在の医療費負担は重すぎるかもしれませんので、負担軽減策は必要だと思います。ただ、完全無料化には賛成できかねます。
 さらには、【3】1,D「消費税の引き上げは行わないでください」については、誰しも消費税に限らず、増税を歓迎する人は個人の立場ではいないでしょう。ただ、仮に請願者が求める請願のすべてを実施するとしたら、いつかは消費税を含めた税制の抜本的な改革が必要ではないでしょうか。そうでなくとも現在の危機的な国家財政を考えますと早期の抜本的な税制改革が必要であると考えます。したがって、私は消費税の引き上げに対し、必ずしも反対する立場にはありません。
 よって、これらを含む、本請願には賛同できません。


 最後に請願受理番号第3号、TPPへの参加に反対する請願について不同意の立場から討論いたします。
 2006年5月にシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4カ国加盟で発効された経済連携協定である「環太平洋戦略的経済連携協定」(TPP)は、加盟国間のサービス、人の移動、基準認証などにおける整合性を図り、貿易関税については例外品目を認めない形の関税撤廃をめざしています。
 そして2国間のFTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)といった取り決めのように、それぞれの国の事情による例外品目や金融や情報通信、行政サービス等の参入障壁を設けることができないため、国際競争力のない産業は壊滅的なダメージを受けることが容易に推察されます。
 我が国においては、請願者も指摘している農業がその1つになります。我が国が、このまま何の手も打たず、TPPに参加すれば、間違いなく、愛知県の農業だけでなく、国内農業が深刻な打撃を受けることは間違いないでしょう。

 そこで、TPP加入による経済効果を見てみます。内閣府経済社会総合研究所は国内総生産(GDP)2.4〜3.2兆円程度の増加と試算、農水省は廃業農家による代替の生産活動が一切行われない場、農業の多面的機能の喪失額3兆7千億円程度、GDP減少額7兆9千億円程度、就業機会の減少数340万人程度と試算されています。また、経産省は、日本がTPPに不参加のままではEU・中国とのFTAも遅延するとの仮定の下、日本がTPP、EUと中国のFTAをいずれも締結せず、韓国が米国・EU・中国とFTAを締結した場合、輸出減8.6兆円、生産減20.7兆円、GDP換算10.5兆円減と雇用81.2万人減との試算を発表しています。
 ただし、経済学者の中には好意的な評価がある一方で、貿易差額主義的な考えから国益にならないと主張する方もあるようです。そして、経済効果があるという試算の多くにはEUや中国、韓国がTPPに参加する前提で考えられているものが多く、実際にはEUや中国、韓国も2国間の協定には積極的であるものの、TPP参加には否定的であるので注意が必要との声もあります。

 このような意見がある中、現段階では、将来にわたってTPPに参加すべきではないと言い切れない自分がいます。私は、参加する、参加しないと慌てて、結論を出すのではなく、国会において十分審議するなど、国民に対して十分な情報を提供し、全国民的な議論を通じ、国民合意が取れるまで時間をかけ、参加の是非を検討すべきと思っています。
 したがって、請願事項であります、「環太平洋戦略的経済連携協定」(TPP)には、参加しないこと。には現段階では賛同できません。

 以上で、すべての討論といたします。