豊田市議会北米視察団  視察報告書

個人視察報告書は、個人が作成するもので本人保管及び視察団員相互への配布を目的とする。
公開については、事務局からの公開はなく、個人の判断対応による。作成要領は下記の通り。

視察先1カ所につき1ページ内で作成。視察先が11カ所あるので、全体で10ページ程度。
仕様および内容は、原則として自由とするが、視察を通じて学んだこと、
豊田市の行政に反映できること、視察を通じて感じた豊田市の課題などを盛り込んでいくこと

標準仕様は、A4ヨコ書き、文字11P、36行×38字、
提出期限は、9月24日(金)

下記の報告書を9月24日(金) 提出




視察団報告書
個人視察報告書をもとに、視察団としてまとめるもので、広く一般に公開する。
印刷製本し、配布、議会ホームページでの公開PDFファイルにても予定作成。
要領は次の通りとする。

視察報告書 全42ページ、予定
視察先別報告22ページ
団員紹介1ページ
個人別報告13ページ 他

視察先別報告は、各担当者が原稿作成  2ページ  提出期限10月15日(金)
個人別報告は、各個人が作成  各1ページ  提出期限10月15日(金)

未提出




豊田市議会北米視察団



視察報告書






平成16年7月26日〜8月6日



岡 田  耕 一



トロント市交通局(TTC)

概要

トロント市の面積は、622ku。人口240万人。3路線の地下鉄600車両、軽量急行電車28車両、10路線の路面電車250車両、133路線のバス1,600台を有する。南北東西の網目状に、40路線のバスが隣接自治体との間を結ぶ。他にゴートレインと呼ばれる通勤電車もあり、近郊の電車とは相互乗り入れができるようにしている。また、障碍者対応のバス、タクシーを委託で確保している。公共交通機関の利用者は15年間で実人数では増えているが、割合としては、減少している。

更なるサービス向上のために

サービスをどのように構築するか、適切な場所に、適切な時間に、利用者に提供できるように考え、調整している。トロント市交通局の目標は、できる限り速く、高品質に移動させること。納税者が(運賃を支払う人が)お金を一番有効的に使える方法でサービスを提供すること。重要なことは、継続的に、気持ち良く乗ってもらうためには、常に情報を集めて、利用者の期待を知らなければならない。常に研究している、利用者のニーズ、行動、TTCに対する態度、懸念の提案、苦情を常に聞いている。なぜ、TTCを使わず車で来るかという理由の第一番は「遅い」こと。TTCは公聴会を開き、市民からの提案、苦情を聞いており、改善の一番重要な点は、常に路線の利用者を調査し、調整すること。

弱者対応

障碍者を含む全ての市民にアクセスできるものにするという努力をしている。最近、更新したバスの車両は全て車椅子に対応できるものにしている。多くのボランティアも使っている。地下鉄の駅にエレベーターを設置し車椅子の人でもアクセスできるようにしている。ドアを引き戸にして楽に乗り降りができるように考えている。地下鉄のプラットホームに点字ブロックを置き、視覚障碍者にどこが端かを知らせている。多くのところにベンチを置き、老人のために休憩できるようにしている。電光看板も多く設置。車椅子でも対応できる改札口も設置。

財政運営

市からの予算、州からの予算もあるが、州は毎年は、くれない。市からは運営費として2億3000万ドル、投資として2億5000万ドル。一番の資金源は、80%ある利用者からの運賃収入で、利用料にTTCは頼らなくてはならない。P&R、Kiss & Rは非常に人気があり、駐車場が足りない状況で拡大も検討。土地を購入し整備するのはTTC、管理は市が行う。人気のない場所で無料のケースもあるが、駐車場料金と運賃の両方を取り、収入を確保。広告収入、駅の売店などのテナント料などは少ない。

現地視察

現地調査で乗ったバス停には、路面電車も止まるし、身体障碍者対応車両も来るという。ただ、車両のバリアフリー化を進めているわりには、休憩ブースと歩道の間に大きな段差が。こちらからの整備も必要だろう。

豊田市政へどう生かすか

この視察を通じてTTCが利用者のニーズをしっかり把握しようとしている姿勢を感じた。また、財政的にも80%を利用料収入でまかなうなど、非常に健全であるという感じがした。本市では、地域バスの必要経費の多くを税金でまかなうという状況があるが、今後、名鉄バス撤退等での新規地域バス運営は経費の67%は利用料収入でなかなう。10%前後は、広告収入や地元自治区等で補填、残り約20%を市で負担するくらいの考えで、それが可能な地域から積極的に新規バス路線の開設を行うべきだと思う。

ブランプトン市・PAR公式パートナー

歴史背景

歴史的にたぶん世界中同じだと思うが、男性が女性を支配する権利があると思い込むことに問題がある。カナダ、オンタリオ州で、最近、家庭内の暴力、男性が配偶者や子どもをコントロールする方法が非常に過激になっている。妻は夫の所有物であり、妻をレイプするのは犯罪ではないという思い込み。政治的にも、社会的にも、経済的にも全て支配するのは男性であった。その時の暴力は、家庭内のことで家庭の外に言うものではない。話にも出さない、治療もしない。だから、妻に暴力を振るうことは隠されたものだった。

7つの間違った考え方

@妻が暴力を振るわれるのは、妻がいけない。妻が何かしたからその責任において自分に降りかかってくるものである。A暴力というものは怒りがコントロールできなくて起こったものである。Bほとんど貧しい男性が起こしている。C教育が少ない男性ほど暴力を振るう。D暴力は、アルコールとドラッグ(麻薬)を使っている男性が起こすものである。E家庭内暴力と言われているものは、本当は数が少ない。F妻に対する暴力の影響は子どもにはあまり影響しない、家庭にもあまり影響しない、職場にもあまり影響しない。

カナダ政府、オンタリオ州の施策

男性に対して「男性対男性(メン・ツー・メン)」と呼ばれるサービスがある。暴力を起こしやすい、女性をコントロールしようとする男性に対してどうしたら良いか考えるプログラムである。トロント郊外のピール地域には3カ所の施設がある。ここでは、300人の男性にプログラムを受けている。このプログラムを受ける男性たちは全員が刑事事件を起こし警察署から送られてきた人たちで1グループには、15人から25人いる。1グループに2人の指導員が付く。指導員にはカウンセラーかソーシャルワーカーか他の専門職の技術を身につけた人がなる。カリキュラムは16週間にわたり修めなければならない。

女性へのサービスとしては、パートナーコンタクトがある。男性が16週間のセッションを受けている時に、被害女性に電話か、直接会って安全かどうかを確認する。大事なことは、女性がパートナーコンタクトに参加するかどうかは、個人の選択だということ。PARからはプログラムについて詳細な内容を手紙で送り、相談を受け、カウンセリングを行ってその人たちをサポートする。

このプログラムで20年間働いているボブさんが学んだこと

@包括的なサービスをまず女性に与えなければならない。男性に対するプログラムを実施する前に、女性に対するサービス、シェルターなど全てのことがされなければならない。A家庭内暴力を全く無くすことはできない。それを約束することができない。Bコーディネーションが非常に重要。男性に対するサービス、女性に対するサービス、子どもに対するサービス、弁護士、裁判官、刑事、全てのことを調整しながら進めていかなければならない。C世界の平和は家庭から始まる。

豊田市政として考えること

 DV対策は、まず現状を確認し、被害者の安全確保が第一であることは言うまでもない。本市で最低限やるべきことは、緊急避難的なシェルターの設置ではないだろうか。当然こうした施設は、加害者には知られてはいけないので、施設は分散させる必要がある。新たに建設するというものではなく、既存の公営住宅や民間のマンション・アパートを利用することも考えられる。そして、外部との接触は、慎重の上にも慎重に考えるべきで、これらを整備した上で次のステップとして被害者へのカウンセリング。加害者への更生プログラムを構築すべきだ。

ピッツバーグ市議会

ジーン・リカルディ議長

概要

 ピッツバーグ市の人口は約35万人、市の予算は約4億ドル。運営予算としては4億ドル、インフラ整備のためには1億ドルの予算がある。ビッツバーグ市には88の地域社会がある。豊田市で言う自治区だろう。市には警察、消防署、清掃も含め、4000人の職員がいる。市長は4年任期の選挙で選ばれる。ピッツバーグ市は1地区に約45,000人の住民がおり、その地区(小選挙区)選挙で選ばれた9名の市議会議員がいる。任期は4年。議長は市議会議員の互選で選ばれ、2年間の任期。ピッツバーグ市には8つの部署がある。警察、消防、緊急医療、公共事業、一般分野、デクリェーション、工学および建築、法務の部門。各部門は、取締役会のようなものを有し、取締役委員は市長が指名し、市議会が承認する。

開かれた議会

 会議は週に2回行う。水曜日には委員会会合を行う。そこでは多くの議論が行われる。火曜日の会議は、日本でいう本会議。会合は一般の市民に開かれている。各会合の前に各市民は3分間、この演台に上って自分の意見を述べることができる。住民の方々は何でも自分の言いたいことを言うことができる。ピッツバーグ市には自治憲章というものがあり、いかなる住民でも演台に上って自分の意見を市議会議員の前で述べる権利が認められており、25名の署名がある場合は公聴会を行うことができる。問題1つごとに署名が必要。議員は、選挙によって選ばれるが、住民の方々のいろいろな意見を聞く機会を提供している。議場の後方にはテレビカメラが据え付けてあるが、火曜日・水曜日の会合はすべてテレビ放映される。生中継と2回の再放映がされる。市長でも市議会議員でも議案提案をおこなうことができ、この議会で5名の評決が得られれば、その議案は可決。もし市議会で可決されたものが、市長によって拒否された場合は6名の評決が得られれば、市長の否定権は打ち消される。

豊田市議会への展開

本市議会でも議会活性化推進特別委員会を設置し、市民に開かれた議会を目指し、協議を進めているところだが、市民の直接的な議会への参画という意味ではピッツバーグ市議会に大きく差をつけられている。本会議での市民の発言は、現段階では到底難しい状況だが、各常任委員会での予算、決算も含めた付託案件への発言や陳情、請願に対する提出者の意見陳述など、提出者が希望し、一定の賛同者(100名程度か)があれば、発言を認めるなどは、試行的にでも実施してもいいのではないだろうか。市民からの意見も考慮し、各議員、委員が責任をもって判断する。これで問題はないと思う。そして、究極的には、本会議でも市民の発言を認めてもいいと思っている。

デトロイト市議会

今回応対していただいたキャロライン・A・ウイリアムス・メッツァ女史がCOOという現在の地位に就いたのは、キムパトリック市長から頼まれたことが理由。キムパトリック氏がデトロイト市長に就任したのが2002年の1月だが、この時点でそれぞれのポジションに最適な人材を探していた。キャロライン女史は公の仕事も、民間の仕事も、両方とも経験があったという事情から、誘われ、この職に就いた。COOという立場は、実際には市の9つの部門を担当する。9つある部門は、1つは交通部門。2つ目は上下水部門。3つ目は道路清掃・ゴミの収集部門。4つ目は街灯管理部門。5番目はビルのエンジニアリング、建物の安全等を確保する部門。6つ目はデトロイト市の空港を管理する部門。7つ目はインフラ部門。COOは、これらを含む9部門を統括している。この9部門で年間予算が10億ドル、職員数が2,000人。市長のキャビネット(内閣)は、7人で、それぞれが各部門を担当している。

議会傍聴 (議会中継は、ケーブルテレビで夕方放映される。手話通訳もいた)

  各議員のアシスタントスタッフも席を準備され、その席と議員席を行き来する。アシスタントスタッフは議員が雇い、市長に報告する義務もない。

  市長と議員を仲立ちするスタッフもいる。

  HISTORIC DESIGNATION:市議会の歴史を記録する係。正式の記録として50年くらいの記録を保管する。

  CITY PLANNING COMMISSION:都市計画に関する問題点を調べる役割で市議会議員に対するサービスを行なう。

市民の議会発言手続き

この日の発言者は、議会が証人として呼んだもの。発言内容は、「お祭り実施を許可して欲しい」、「企業として駐車場を約束どおり使用させて欲しい」など。前者は、議会で承認され、後者は、認められない方向だとか。これだけ細かなことまで、直接、議会が決定するのは、責任のあり方として興味深い。また、夕方以降に一般市民が来て発言してもいいオープンフォーラムというものもある。これは、1四半期に1回、2時間程度、手続きなしで発言したい方は、誰でもできる。市長が、タウンホール(支所)で市民と話をする機会もある。それから、1年に1回、各自15分ずつ市役所で市長に発言できるものもある。

豊田市議会への展開。

手話通訳に関しては、豊田市議会でも本会議では、傍聴を希望される5日前までに議会事務局へ申し込めば可能なのだが、実際には活躍の場は見ていない。可能であれば、委員会でも制度として可能となるように働きかけたい。市民の議会参画、発言機会としては、見習うべきことが多い。本会議での発言は、難しいかもしれないが、まずは、各委員会での市民の発言機会を考えてみたい。

ジョージタウン・トヨタ自動車ケンタッキー工場(TMMK)

概要

ケンタッキーは横長の州。TMMKは、かなり東にあるが、地元ではセントラル・ケンタッキーと言われている。ケンタッキー州では、ルイビルが大都市で州都はフランクフォート。ジョージタウンはその北側にある。国道75号線が北はデトロイトやカナダ・トロントまで、南はフロリダまでつながっている。少し西側にも国道65号線があり、ルイビルを南北に通っており、75号線と65号線を中心に自動車産業が大変多い。

FAMILY  CENTER

FAMILY  CENTERは、日本で言う福利厚生センターで、体育施設や売店があり、一番の特徴は、託児所があること。この託児所は、ようやく昨年から日本の工場にもできた。共働きや離婚した従業員が多いのでこの様な施設がないと安心して働けない。この施設を早くから作ったので米国の民間誌でTMMKが全米の一番女性が働きやすい会社No.1となった。

定員は200人でほぼ満員で、24時間体制。朝、就業員が子ども連れて来ればスクールバスが迎えに来るまで面倒を見てくれ、学校が終わりスクールバスで送ってもらえれば親の仕事が終わり、連れに来るまで面倒を見てくれる。その中では、学年に応じて勉強のサポートをしてくれる。夜勤の場合も親が迎えに来るまで子どもを寝かせてくれる。3歳位から中学生位まで預ける事ができる。

豊田市としての課題

海外に赴任された方の帰国後の諸問題の行政サイドに対する要望としては、やはり、お子さんたちの教育問題であった。トヨタでは、会社としては、グローバル人事課の海外指導教育相談室で渡航経験のあるベテラン教職の方に来ていただき、赴任前・赴任中・帰国時に相談できるということだが、制度上、高校在学中に帰国すると日本では受け入れが非常に難しい。

吉貴さん曰く、「南山国際や豊田西高校はあるのだが、選択の幅が少ない。それをどういう形で対応するか、入学・編入してから学力的に付いていけるクラスができるのか、英語能力をいかに維持させるか、考えて欲しい」ということだった。

 確かにそうだと思う。最終的にはどのような進路を選択するのか、ということだと思うが、ずっと日本で学んできた高校生たちと競争してそれぞれ目指す大学に進むのか、それとも、海外経験を活かして、ずっと日本で学んできた高校生たちとは全く違った進路を目指すか、真剣に考えるべきであろう。

市立高校を持たない本市において、大学を目指す帰国子女に対して県立・私立高校に帰国子女枠の拡大や普通クラス編入時の学力補習の配慮をお願いできるか、また、すべきかどうか、さらには、今後、豊田市として市立高校を持ち、これらを検討すべきか、どうか、私にはなかなか判断できない。

アトランタ・クリスチャンシティ

施設概要

クリスチャン・シティは町ではないが、町のようなものを作り上げている。住民は、一定以上の人が住んでおり、その中には高齢者も子どもたちも含まれている。

クリスチャン・シティは、「ここはキリストの名のもとにケアしよう」ということで作られた施設。モットーは「人を愛すること」。施設ができたのは1965年のバレンタインデイ。寄付された約50エーカーの土地と500ドルで始まった。現在は8倍の400エーカー、従業員数は400名、ボランティアが200名、住民数が約1100名。

サービス内容

クリスチャン・シティの施設ではいろいろなサービスを行っている。健常なお年寄りのための住居が、ライフリースハウジング。これは、2軒続きあるいは3軒続きの住居となる。自立して生活ができるお年寄りの住居が、シニアハウスハウジングコミュニティ。少し介護の必要な方の住居がアシステッドリビング。入居に必要な金銭的余裕のないお年寄りには、連邦政府からお金が出る。HUD(ハッド)プログラムというものがあり、このHUDの202条に基づくアパート形式の住居もある。介護センターもある。病気の時には、このセンターに入り、治ったら自分たちの住居に戻る。介護センターには、200床のベッドがある。介護センターに入居される方は、長期ケアの必要な方々、短期ケアの方々、痴ほう症の方々の3通りに分けられる。スパーク・シーンという介護付きの老人ホームもある。このスパーク・シーンには専用食堂もあり、警備設備もある。もう少し介護の必要がある方には、入浴サービスや服の着替え補助、外出サポートプログラムも受けられる。

豊田市政にどう生かすか

こちらは、中所得者以下の高齢者ビレッジだが、家庭内に問題がある子ども達の一時避難的な施設も併設している。個人と企業もからの年間3億円の寄附金があって成り立っていると言う。そのあたりは、日本との税制上の制度、風土が違うと言うことだろう。サービス料金としては、独立した住居が永年リース料として、当初に300〜600万円。管理費(光熱水費等)として月々3、4万円。あまりに安すぎる。長いと4年待ちというのがわかる。それも10年以下で退去するとリース料も期間に応じて返金されるとのこと。こうした料金設定は、200人もいるというボランティアスタッフの確保と年間3億円という寄付があってのことだろう。日本では、難しい。豊田市でもこうした施設を考えた場合、健康な方の住居、アシステッドリビング、ナーシングホームを老化が進むにつれ、管理コストがかさむので税金投入をどこまでできるか、サービスを受けられない方の市民合意が得られるか、検討が必要だと思う。

デイビス市 サスティナブル・コミュニティ

環境問題全般

デイビス市では、リサイクルやごみの収集は民間企業に委託をしている。集めたごみの50%はリサイクルする。小学校から高校に至るまでリサイクルの観念を植込む教育をしている。デイビス市のあるヨロ郡には、埋立地があるので、リサイクルできなかったものは、この埋立地で処分される。デイビス市では、ゴミを焼却炉で燃やす事はしない。燃えないものに関しては、この埋立地に持って行く。一般家庭から出される生ゴミは、集めて、圧縮し、埋立地に運び、すぐに埋め土をかけ、匂いが出ないようにする。この埋立地には、ペンキや殺虫剤の残りなど、危険物は持ち込めない。カリフォルニア州では、ゴミは燃やさないことで統一されている。

ビレッジ・ホーム

着工が1975年で完成が1981年。当時、新しいコンセプトによって作られた。非常に公共の場所が多い。公共の場では、グリーンベルトや樹木があり、果実を取って食べることもできる。囲いもないのでその中では、コミュニティといった感覚を得ることができる。コミュニティにおいては、家の建て方が太陽の光を浴びやすく、ソーラーエネルギーを作るのに適した建て方になっており、一般の家庭では、光熱費は月に200ドルから300ドルだが、このビレッジ・ホームでは、一軒につき月16ドルで済む。一般の開発業者は環境面をあまり気にせず開発するが、このビレッジ・ホームにおいてはいろいろな制限があるため、多くの開発業者はこのようなところは好まない。この計画は、業者のマイコーベットがアイデアを市議会に持ち込み、それを市議会がサポートし、数年後に実現。マイコーベットは、当初デベロッパーとして関わったが、のちに市議会議員となり市長にもなった。

自転車道の考え方

自転車道の整備については、一般の車道とは分けて自転車道を作る。自転車専用道路は一般の車道に沿っていない。一般の車道にそった道は自転車レーン。ビレッジ・ホームは、車道に沿ったものではなく、すべて自転車専用道路となっている。車道だったところに作ったというよりも新たに自転車専用道路を作っていった。建設費は開発業者に一括して支払い、デイビス市は維持管理費を受け持つ。

豊田市政にいかに生かすか

 サスティナブル・コミュニティであるビレッジ・ホームの現地も見せていただいた。非常に素晴らしい環境である。そして、これらを維持していこうという住民の心意気も感じた。残念ながら太陽熱利用のみで太陽光発電の状況は確認できなかったが、豊田市の新たな住宅開発としてこうした取り組みは可能だと思う。個人の占用用地は全体の50%、70坪程度とし、共有用地として遊歩道、車道、自転車専用道、公園、共有農地をバランスよく配置する、30〜50戸程度の小規模開発で本市の南部地区や北部地区、東部地区でデベロッパーと共同開発できないものか。

チョイシーズ・フォー・チルドレン

概要

カルフォルニア州の3つの郡に5つのオフィスがある非営利団体。チョイシーズ・フォー・チルドレン(以下、CFC)は管理している3つの機関がある。このうちの2つは非営利団体。もう1つは営利団体。CFCのほかに保育施設が160ある。サンノゼ市には2つのオフィスがある。CFCは、州の文部省と25の契約をしている。他に州と5つの契約をしていて、これは栄養に関するプログラム。また、CFCはファースト・ファイブというタバコ税から設立された財団とも契約をしている。CFCでは、3,000の保育所、15,000世帯の家族にサービスを行っている。こちらの収益は、年間$2,200万だが、収益は保育所や家族のサポートのために$1,850万使っている。CFCの使命は、一般家庭の子どもたちや保育施設の人たちのために協力すること。

チャイルド・ケア(保育)助成金プログラム

助成金により低額所得者の子どもたちを保育できる。チャイルド・ケアの助成金プログラムは、連邦政府、州政府から出資されている。この助成金を交付するには、基準がある。そして、1年に1回、監査がある。この助成金プログラムは、現在、1,100世帯が登録している。そして、保育施設の方も必ず登録をしていて、州政府から助成金交付できるレベルであることも確認する。1,300の保育施設に助成金交付。1カ月に30の新しい家族を登録しているが、ウェイティング・リストには4,100世帯が載る。この助成金プログラムに登録している家族でも、所得により、1,300の家族のうち350世帯は保育料の一部を自己負担をしている。

栄養プログラム(チャイルド・ケア・フード・プログラム)

目的は、栄養のある食品を提供するということで、対象は新生児から12歳まで。保育の提供者、一般の子どもたちに栄養を提供している。子どもの食べ物に関してサービスをしている。このサービスは、必ず免許を持った保育の提供者に対して行われ、連邦、州政府の補助金から行なわれている。これは、提供者には現金で助成金交付がされる。CFCは、最初に保育の提供者や施設に対して研修を行う。

豊田市政への展開

チョイシーズ・フォー・チルドレンが、公的機関(公立保育所・幼稚園など)が少ないアメリカのカルフォルニア州において展開されているサービスはとても重要なものだと思う。CFCは多くのプログラムを実施しているが、各プログラムの資金は、連邦政府、州政府からの資金をそれぞれの家庭、保育施設にどれだけ配分するか、そして、資金を使ってサービスを提供する対象者を選び、監督する団体といったところだろう。実際に公立の保育園・幼稚園を運営して、私立園に対しては助成金を交付している豊田市でNPOがこうした活動をされることは非常に難しいのではないか。各種プログラムの内容で参考にできるものは時間をかけ検証したい。


サンノゼ市議会

パット・ダントン副市長&アシスタントのジョー・サファロさん

概要

サンノゼ市の人口は約100万人。議員は11名いる。10名は地区ごとに選出。市長、1名は、サンノゼ市全体から選出。市長も議員となる。1地区は人口85,000人〜95,000人。その中から代表が1名選ばれる。副市長は、市長が任命した議員がなり、任期は2年。この副市長は、市長や他の議員とうまくやっていける人が選ばれる。パット・ダントン女史の場合、ゴンザレス市長から副市長に任命された。パット・ダントン女史の最初の選挙は8人、2回目の選挙は3人が立候補。

市議会の開催

議会は1週間に1回、火曜日の1時30分から開催される。1週目と3週目の火曜日は、夜の部もある。時間は19時から。

議会の政策への関与

政策を変えたい場合には、議会に提出したり、市のスタッフに提出したり、規則(政策)委員会に提出する方法で行われる。また、子ども、老人のための委員会、教育の委員会、交通委員会、一般の公共サービス、公園、レクリエーションのためのサービス委員会、大会社から小さなビジネスに関する経済委員会、組織がうまくいっているか常に再調査をし、どこか変更するところが無いかとか、意思決定をする委員会がある。各委員会は2〜3人の議員が担当。

期数制限

サンノゼ市議会では、任期は2期、8年までが最高。期限を設けているのは新しい人を登用して議会を進めていきたいという目的だが、素晴らしい議員や経験のある人を短期間のうちに失ってしまうことにもなる。

市民の議会参画

この日は、新設された図書館に蔵書が少ないということで、もっと多く入れて欲しいという意見を数名の市民が発言されていた。手続きについては不明。

豊田市議会への展開

本市議会でも市民に開かれた議会を目指し、協議を進めているが、市民の直接的な議会への参画という意味ではピッツバーグ、デトロイト両市議会に大きく差をつけられている。ぜひ、こちらの議会を見習いたい。また、各議員が使える予算として給料、年間$75,000(約800万円)のほかに$20万(約2200万円)が認められている。スタッフ3人分の人件費やその他活動経費ということだが、現在、本市、議会活性化推進特別委員会で議論されている議員報酬の適正額や政務調査費の使途基準の検討など、私の考える方向と全く逆に進んでいる。私としては、年額報酬額は、現在の1000万円弱を変更せず、活動費としての政務調査費は、広報・公聴費を認め、より透明性を高め、適正額(増額を含め検討)にすべきである。

シアトル市環境課

概要

シアトル市には、11,000人の職員がおり、各部に環境分野の担当者がいる。アメリカは国家として京都議定書を批准していないが、ワシントン州単位では活発に環境問題に取り組み政府に働きかけている。

シアトル市民が環境に対する意識が高いのは、ここに住んでいる市民は素晴らしい自然の中に住んでいるから。1970年代電力消費が増え、電力供給に不足の解決策として原子力発電所5基が提案。議会において経費と放射性廃棄物の問題が検討され、市は原子力発電所を建設しないと決定し、省エネルギーを推進するに。それに億単位の予算を組み、新しい建物には断熱の規制、市民の住宅についても補助金を出してエネルギー効率の良いものに改良してもらうなど、シアトル市は最も厳しい基準を持っている。市は、税金を原子力発電所に使わなくてもよくなった。

ごみ問題では、処分場が満杯になってしまった。市民は近くに焼却場ができることに反対、焼却場を作らない替わりに65%のリサイクル目標を設定したが、まだ達成には至っていない。今後、産業廃棄物の中にリサイクルできるものが捨てられたときには罰金を取ることも決める予定。新しい建物を作る場合エネルギー効率の良い素材を使わなくてはならないし、化学薬品の含有率の低いものを使わなければならない。木を使う場合は、植林地で持続可能な森林から取れたものを使わなければならない。市役所で使用している家具、カーペット、清掃用の資材も持続可能なものを使わなくてはならないようになっている。

豊田市政への展開

 シアトル市での環境面での取り組みは、一定の成果があるようだ。しかし、具体的にぜひ取り入れたいという施策は、私としてはなかった。考え方として、ごみ収集の有料化があるかもしれないが、市民意識として、今は難しいと思う。電気製品の不法投棄対策として、販売チェーン店と提携して、不要な家電製品をそこに持っていけば5ドルで引き取って、解体してリサイクルする試験的プログラムについては、日本の現行の家電リサイクル法の関係で本市だけでそうした取り組みは、すべきでないと思う。本来からいえば、パソコンがそうなったように購入時にリサイクル費用を上乗せするか、もしくは、リサイクル費用+?の費用を一時預かり、不要となったときに+?(1万円以上)分を返却するデポジット方式の仕組みを国家レベルで実施すべきだろう。そうすれば、100%に近い回収は可能だと思う。節水施策として水洗トイレのタンクを節水型に変更する際の補助金交付や夏季の料金を高くする政策は、面白い試みであると感じた。個人的には、現在は、雨水をトイレの洗浄水として利用できる雨水貯留タンク購入・工事時の補助金交付ができないが、今後できるように当局に提言しているところである。

シアトル・ネット

概要

シアトル市は、1995年にウェブサイトを開設。現在、5回目のデザイン変更を完了。シアトル市だけで使うものではなくてシアトル市に関する情報を得たいとする全ての人が使える玄関口にしたいと考えている。サイトを訪れる8%が外国人。日本語など5カ国語のサイトがある。現在ウェブサイトには80,000ファイルを掲載。実際のお金をやりとりは、駐車違反の罰金を払うサイトだけである。今年の後半に電気、ガス、水道などの公益事業、企業ビジネスライセンスの毎年の更新、審査が不要な建築許可であればウェブで申請し許可をもらい、支払えるようにする。

議会関連

市議会の様子をウェブでも見られる。選挙のときは候補者が2分間のスピーチのビデオを作って放映することができる。各候補者は2分間のスピーチを3回撮って一番気に入ったものを放映してもらう。市は、いつも積極的に参加する人の声だけでなく、もっと幅広くの市民から意見を聞きたいと考えて、努力している。最新プログラムとしては、市長と市議会議長と警察局長が高校を回り、質問に答える状況をテレビ放映した。

職員体制

セントラルチームと呼ばれる常時、ウェブサイトの仕事をしている人は7名。コンテンツを実際にウェブサイトに載せる担当者が市全体で54名。公表しようとするものは全てウェブサイトに載せる。印刷にならないものも載せている。庁内のイントラウェブもあり、一般公開と同じ程度の規模を持つ。これが予算節減に一番大きく貢献しており、行政運営の効率性を高めている。

豊田市政への展開

本市でも市公式ウェブサイトは、開設当初から比較すると、飛躍的に有用なサイトになりつつある。市議会サイトも同様である。市のサイトで言えば、今後は、やはり電子入札の導入や自宅にいながら電子申請ができる仕組みが考えられるが、本当に必要か、どれだけのコストが許され、どのタイミングで実施するか、考える必要がある。また、情報発信としては、シアトル市同様、公表しようとするものは全てウェブサイトに載せる。印刷にならないものも載せる。このくらいの姿勢は必要だろう。市議会サイトで言えば、現段階で検索機能まで要求しないが、委員会議事録の公開。また、近隣では、豊橋市議会でも実施されている議会の一般質問・代表質問のインターネット生中継および録画中継。さらに可能であれば、室蘭市のインターネット議会中継のように視聴者が、カメラを動かせるようなシステムにすべきと思う。さらに言うなら、各議員が作成している議会報告をPDF化し、公開しても面白いと思う。選挙時の政見放送は、以前、選管に確認したら公選法上、残念であるが、違法ということだった。