視察所見

今回の加茂病院移転問題検討特別委員会の視察は、非常に難しい視察であった。今年度は、加茂病院の跡地利用と交通アクセスの検討を調査課題としながら、視察日程時期には、移転先が決定されていないという特殊事情もあり、交通アクセスの検討については、総論でしか考えることができず、具体的な比較検討がなかなかできなかった。今回視察させていただいた市立豊中病院跡地、国立岡山病院移転問題、高知県・高知市病院組合、高知医療センターについても大いに参考になったが、本市とは事情もかなり違う。

交通アクセスで考えれば高規格道路が続々と完成する本市では、インターチェンジからの道路整備も考えなければならないし、西三河北部医療圏の中核病院としての自家用車での通院や救急車搬送経路の確保も考慮しなければならない。

当然、公共交通機関である名鉄路線、愛知環状鉄道路線からのバスアクセスについても考えなければならない。視察後に開催された特別委員会では、今まで検討されてきた2箇所を断念し、新たな移転先を市当局と厚生連加茂病院側から提示されるとのことで事実上、浄水地区で決定と推察されるが、そうであるなら、それを前提に早急に具体的な検討が必要だろう。

愛環路線と病院とのバスアクセス、浄水駅を中心に考えたバスアクセス。バスは、名鉄にお願いするのか、それとも高岡地区のふれあいバス方式を採用するのか。第3の方式もあるかもしれない。道路整備もこのままでいいのか、考える必要もある。19年開院ということは、もう本当に時間がないが、30年、50年先まで考え、検討していきたい。

跡地利用については、市、市議会ともあせってはならないと考える。そもそも現在の加茂病院の敷地は、農協のものであり、私は、豊田市がとやかく言うものではないと考えるからだ。しかし、豊田市が所有する新病院の建設予定用地と農協とで等価交換し、取得するのであれば、話は変わる。そして、交換用地は、農協が厚生連に貸す、もしくは、売却という方法であれば、いいのではないか。豊田市所有の土地を異常に安く売却し、加茂病院跡地を時価相場で、購入するという馬鹿なことだけは避けなければならない。以上の前提で、跡地利用を考えてみたい。

まずは、高度医療を担う総合病院が、郊外に移転したとしても中心市街地のかかりつけ医としての診療機能は、残すべきであると考える。当然、入院機能、高度の検査機能を有する必要はなく、内科、外科、小児科くらいは、ぜひ残したい。

他の利用法としては、更地にして新体育館建設により無くなってしまうグラウンドや都市公園にしてもいいのではないか。また、国立岡山病院の活用策のように、使えるものは、耐震工事を実施し、青少年センターや国際交流協会、その他、市の分庁舎として活用することもできる。しかし、昨今の経済状況も考え、決して、商業分野を中心にした新たな再開発事業という考えだけは、避けなければならないと考える。