産業廃棄物焼却施設の周辺地区等におけるダイオキシン類の土壌・農作物等の環境調査報告書(抜粋)について

1、背
 且}下が豊田市枝下町上笹澤574番地に設置する廃棄物焼却炉において、平成12年3月31日に豊田市(以下「市」)が行った調査で、この焼却施設の排出ガス中から、国が定めるダイオキシン類濃度の基準(80ng−TEQ/m3N)を大きく上回る3500ng−TEQ/m3Nという値が検出された。そのため、周辺住民にダイオキシンによる健康被害の不安が広がるとともに、猿投地区で栽培される桃など周辺の果樹・野菜類に対する風評被害が発生する事態に及んだ。このため、市は平成12年7月3日、直ちに「豊田市産業廃棄物ダイオキシン類影響対策会議」を設置し、学識経験者の意見を聴くとともに、周辺自治区との話し合いを持ちながら、ダイオキシン類汚染状況把握と対策検討のため、周辺地区等の環境調査を実施することとなった。

2、調査の目的

 当該焼却施設からの排ガスや放流水或いは汚染物等の飛散などを原因とするダイオキシン類による周辺環境への影響を早期に把握し、今後の対応を進めるため、周辺地域の土壌、水質、農作物に関して実態調査を実施した。当該事業場内(以下「場内」)の土壌及び焼却灰についても調査を行った。また、この調査区域に隣接するA社の廃棄物焼却施設による周辺への影響も懸念されたことから、合わせて土壌調査を実施した。
 なお、これらの調査結果に基づいて、市は今後の対応を図るとともに、市民の健康不安の解消に努める。

3.試料採取

  平成12年8月18日(金)〜25日(金)
   ※試料採取・分析機関:財団法人 日本気象協会

4.調査地点

  土壌等の調査地点について、市は学識経験者及び周辺住民の意見を聴きながら地点選定を行い、試料の採取及び分析を財団法人日本気象協会に委託した。土壌の調査地点は、環境庁の「ダイオキシン類に係る土壌調査測定マニュアル」(平成12年1月)を参考に、当該焼却施設の規模等から周囲約1200mを調査範囲とし、9地点を選定した。また、A社の焼却施設についても同様に周囲約1200mを調査範囲とし、8地点(うち1地点は且}下概況調査地点と共通)を選定した。その他に住民要望のあった周辺15地点を追加した。
  水質の調査地点については、場内からの放流水、笹澤川及び本流の矢作川(且}下の上流及び下流)から4地点を選定した。

6.調査結果
(1) ダイオキシン類調査結果
 ア.場内の土壌及び炊却灰について
  且}下の場内土壌5地点の調査結果は、18〜2900pg・TEQ/gで、特に焼却炉直近(炉の南側約5m付近)の地点では2900pg−TEQ/gと他の地点より高い濃度が検出された。
  また、焼却灰の調査結果は、6900pg−TEQ/gであった。
 イ.周辺地区の土壌について
  周辺地区調査のうち、農用地を除く、居住地等一般の人の日常生活に関わりのある場所の土壌(以下「一般環境土壌」)30地点の調査結果は、平均値7.0pg・TEQ/g、濃度範囲0.015〜37pg−TEQ/gであった。
 また、農用地土壌1地点の調査結果は95T)g・TEQ/gであった。
 概況調査の地点別に整理した場合、且}下の9地点の調査結果は2.5〜37pg・TEQ/g、A社の場合は8地点で1.2〜22pg−TEQ/g(うち1地点は両調査地点で共通)であった。
 ウ.水質について
 且}下周辺の河川等4地点の調査結果は、平均値0.27pg・TEQ/L、濃度範囲0.10〜0.37pg・TEQ/Lであった。
 エ.農作物について
 農作物4種類の調査結果は0.00015〜0.0067pg・TEQ/g−Wetであった。
 地区ごとの結果をみた場合、猿投地区の調査結果が 0.00015〜0.00038pg・TEQ/g・Wet、且}下周辺地区の地点では0.0067pg・TEQ/g−Wetであった。
 これらの結果について、地点ごとの結果を表2に、また調査項目ごとに集計した結果を表3に示す。


(2) その他の項目の調査
  場内の土壌で調査した重金属等の環境基準に係る項目について、全ての項目で定量下限値未満であった。なお、場内の水田ではその他に農用地に係る項目の銅についても調査した結果、5mg/kg(環境基準は125mg/kg未満)であった。場内からの放流水及び笹澤川の水質では、水質汚濁に係る環境基準の人の健康の保護に関する項目について、全ての項目で定量下限値未満であった。
 焼却灰について溶出試験を行った結果、重金属等の埋立処分に係る判定基準項目についてが0・01mg/L(判定基準は0・3mg/L以下)であったほかは、全て定量下限値未満であった。
 これらの調査結果について、表4から表6に示す。

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